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妹のラブレターを代筆したら、無敵美少女アイドルと同居することになった。  作者: 坂井ひいろ
Season1

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16/99

016 いちご大福、食べてもいいかな

西宮月にしみや つき視点>


 西宮家のリビングテーブルに四人が座っている。もうかれこれ10分以上は沈黙が続いている。目の前には、それぞれ金松堂のいちご大福が置かれている。


 うぉー。何と言う気まずい雰囲気!ボクが毎週欠かさず見ているテレビ番組「浮気現場を直撃!」のお話合いタイムのようだ。兄貴、男だろ。なんか言え!って、言ってもこの場面では男のほとんどが沈黙するのがパターン。


「・・・」


 やはりヘタレ兄貴。世間の男どもと変わらない。で、話を切り出すのが元カノ。でも矛先は彼氏じゃない!えへ。


「どうして佐々木瑞菜ささき みずなさんがここにいるのですか?ロケは終わったはずではありませんか?」


 おおっと、森崎弥生もりさき やよい、予想通りの先制パンチ!西洋ドールのすまし顔がかっちょいい。


西宮陽にしみや ようくんが私の彼氏だからです!」


 うわ!真正面から受け止めた。無敵美少女、佐々木瑞菜。余裕の天使スマイルだー。


「あ、あれは番組の中での話でしょ。一般人を惑わすのはいかがなものかと思います」


 くー。おしっこちびりそうー。氷のスマイル返しだー。弥生おねえちゃんも負けてない。


「私は保育園の時から西宮くんのことを見てきたわ。失礼ですけど佐々木さんは昨日会ったばかりですよね」


 弥生先輩の連続攻撃だ!金松堂のいちご大福、食べてもいいかな。


「はい。でも昨晩は一緒に過ごしました」


 ひぇー。無敵のメガトン爆弾炸裂!金松堂のいちご大福、食べちゃダメだよね。


「えっ!」


 なっ、なんでここでボクを見る。弥生先輩の視線が痛い。大福どころじゃない。どうする西宮月。


「いえ、そのー。ボクも一緒にいました」


 佐々木瑞菜の口角がクイッて上がった。美人の不敵な笑みってしびれるー。もう、いちご大福は後回しだ。


「私、陽くんと同棲することになりました」


 無敵美少女の追い打ちをかけるような容赦のない第二次攻撃!


「えっー!」


 今度は二人でボクを見るわけ?


「いゃ、その。そう、最近流行のシェアハウスと言うやつでして。ほら、お家がこの通り広いわけで。それにアイドルの一人暮らしは危険と言うか」


「森崎さんは何をしにいらしたの」


「そっ、それは。私立修学館高校の生徒会風紀委員長として、陽くんが下品なバラエティ番組に出たのを注意しに来たわけで」


 ・・・。さりげなく『西宮くん』から『陽くん』に変わっている。


「それに、ほら、ほっとけないでしょ。幼なじみなんだもの。ねぇ、陽ちゃん」


 ・・・。今度は『幼なじみ』に加え『陽ちゃん』に。じんわりと親密度をアピールする作戦に出たか。かわいい顔して西洋ドール、おぬし、ただものではないな。どうする兄貴。


 今度は二人が兄貴の顔を見つめる。


「まあまあ、お腹が空くとイライラするから。そろそろ夕飯の支度をしないと。料理はたくさん作るほどおいしくなるんだ。森崎さんも食べていきなよ。料理には自信があるんだ」


 あ、兄貴・・・。なにトンチンカンなことを。いや、意外にいいかも。のった。


「そうだね。ボク、お腹空いた。みんなで兄貴の手料理を食べようよ。『美味しい料理は人を幸せにする』んだったよね。兄貴!」


「ふふっ。陽くんの手料理!」


「そうね。いただくわ」

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