七星との会話
重たちは若草に招かれるままに第五輝邸の中にお邪魔していた。
「すげーな、わかっちゃいたけどめっちゃ広いな。部屋とかいくつあるんだよ。」
剣が半ばため息をつきながらそう漏らす。自分たちの一般寮とは比べ物にならない。一般寮だって普通に暮らして行くのに困らないサイズなのに。
「ふふふ…。広いのも考えものなんだよ。…僕にとってはね。」
「さて、ここがリビングだ。好きに座ってくれ。」
案内されたリビングにはテーブル、イスやソファが置かれていた。
「うっす。そんで俺たちを呼んだ理由ってなんなんですか?。」
重が切り出す。なぜ自分たちをここに招いたのかその理由はまだ明かされていないのである。
「まぁまぁそんな焦らずに。これは僕が栽培した野菜を乾燥させた野菜チップスだ。食べてくれ。」
重たちは顔を見合わせ野菜チップスに手を伸ばす。この先輩はイマイチ掴めない。
「…!美味しい。すごく美味しいです。野菜の味が生きています。」
濃厚な野菜の旨味に澪が驚く。
「ふふありがとう。…それで僕が君たちをここに呼んだ理由だったね。それはね、君たちにここに住んで欲しいからなんだよ。」
若草が理由を告げる。
「ん?それってどうゆうことですか?。」
当然重が聞き返す。全く意味がわからない。
「そのままの意味だよ。一般寮を出てここに住まないかということだよ。」
「なんでそんなことを?。」
次は剣が尋ねる。
「僕はね、学生生活を楽しみたいんだよ。だから一般寮での暮らしも気に入っていたんだ。だけどある一件で当時の第五輝を倒してしまってね。それでここに引っ越してきたんだよ。こんな広いところに1人は寂しいよ。」
要するにさみしがり屋なのだ。
「なんで私たちなんでしょうか?。」
「君たちの演習を見ていて仲が良さそうだったからね。僕もそこに入れて欲しかったんだよ。それに君たちは面白い才能を持ってるようだしね。」
「…そもそもあんたのとこに俺らが住んでもいいのかよ?。」
剣が当然の質問をする。
「構わないよ。現に今の第二輝邸には第三輝他生徒会のメンバーが一緒に住んでるしね。」
ここでも驚きの情報。第三輝は生徒会メンバーということが判明した。とここで重があることに気づく。
「ちょ、ちょっと待ってください。あんた2年だろ?それで当時の第五輝を倒したってことはあんた…1年で七星に入ったのか。三年が抜けて繰り上げられたわけじゃなく、実力で。」
重の推測通り若草は1年で七星の座を手にした。当時の第五輝を破って。
「そうだよ。だから君たちにも色々指導してあげれると思うんだ。どうだい?一緒に暮らさないかい?。」
若干のプロポーズ感に戸惑いながらも重たちの答えは決まっている。
「「「お願いします。」」」
「良かった。それじゃあ明日引越しでいいかい?。」
こうして重達3人は第五輝邸に引っ越すことになった。
この作品も私が連載している作品です。1話1分程度で読めるのでトイレの時などに是非。
Dストアストーリー
ドラックストアの店員たちの日常を書いています。