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2人の若草

(さて、この現状どうするか。あの魔法…そこまで情報があるわけではない。それに対し俺の魔法はかなり知られている。当然若草大樹も対策を講じているだろう。…ならば超えるしかあるまいな。今までの自分を。)


「…さて見せてもらおうか。お前の魔法を。」

 創士が狩刺刈刃を構えながら言う。その視線は若草と若草の前にある物体に注がれていた。


「そうですね。僕もここまでしたんだ。勝ちたいですよね。言っておきます。ここからの僕は…2人いる。L3『白光』」

 そう言い若草が右手を前に掲げる。その手から光が漏れ創士の視界を奪う。


「目くらましか。しかし…その程度俺が経験してない訳がないだろ。」

 まるで見えているかのように斬りかかる創士。


「そう、創士先輩なら気配で僕の場所が分かると思っていました。ですが…」


『ボゴッ!。』


「な⁉︎。…やってくれるな。」

 創士の足元の土が陥没する。


「だが俺には関係がないな。」

 創士の姿が地面の中に消える。


「…当然それも読んでます。やってくれ大樹君。」

 若草の声に反応するように大樹君が足踏みをする。すると地面に揺れが走る。その揺れは創士を捉え揺さぶる。


「……そこか。L4『土塔楼』。」

 地面に手を当てソナーのように創士の位置を感知した若草が魔法を唱える。


『ゴゴゴゴゴッ…』

 地面から土の塔がせり上がりその内部には創士が捕らえられていた。体の本体だけを捉えられ手足は外に投げ出されている。これでは大鎌を振るうことも出来ない。


「ち、まさか土塔楼をこんな使い方をするとは…本来上空での作業用の魔法を…。くっ、それにさっきの揺れが…頭が…。」

 地中に潜り移動していた時の不意の揺れに頭を揺さぶられ軽い脳震盪を起こしていた。


「しかし、この程度なら…狩刺…」


「狩刺刈刃は封じさてもらいます。」

 若草がそう言うと空から風の槍が降ってきて創士の右手を貫く。


「ぐぅぅっ、まだだ。まだ終わらんよ。かいほ…」

 狩刺刈刃を解放し自爆での脱出を狙う創士。しかし若草はそんな隙は与えない。


「まだ終わりませんよ。実はこの土塔楼ある魔法が練りこんであるんです。」


「僕の土塔楼と同時に大樹君がね。」

 そう言い若草、大樹君人形が塔に手を添える。


「「L4『連爆鎖・解』」」


『ドンッ!。ドドンッ‼︎。ドドド…』

 塔が下から次々と爆破していく。ついには創士が捕らえられている場所まで爆発が到達したのだった。


「…………。」

 白煙が晴れた時地面には横たわる創士の姿があったのだった。


「あまり好きではありませんがとどめを刺します。」

 若草、大樹君両者の手に炎の槍が現れる。


「これが…僕の力です。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「い、今のは…」

 創士が爆発したのを見た重。思わず口から疑問が溢れる。


「…おそらく火属性のL4『連爆鎖・解』でしょう。あの魔法はあらかじめL3『連爆鎖・塊』をセットしておき任意のタイミングで爆発させる魔法です。普通は地雷のように使うのですが。あのように使うとは。」

 呆気にとられて答えることが出来ない2年生たちに変わり真利谷が答える。その語りこそいつも通りだが表情は創士の身を案じていることが現れていた。


「う、嘘やろ。会長が…」


「…大樹君は徹底して会長を近づけなかった。あの距離では会長といえど厳しい。」

 風待、並木が目の前の光景にやっと処理が追いつきコメントする。


「………。」

 そんな中剣は創士を見つめていた。


「ん?どうした剣?。」


「あ?あぁ、ちょっとな。」

 剣は創士に言われた言葉を思い出していた。


「…敵が最も自分の命を狙う時がこちらも狙う時だ。…まさか。」

 何かに気づいた剣が2人に視線を戻す。


『キーーン‼︎』

 音が響いた。



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