若草の魔法
全身を鎧で武装した創士が若草の前に佇む。
「俺はお前の魔法が完成するまで待つつもりはない。お前の魔法の危険さを理解しているからだ。悪く…思うなよ!。」
そう言い若草に対し走り出す。
「L4『鋼鉄籠手』、L4『轟の鉄槌』、合成。『白刃の鉄拳』。」
創士の両手に籠手に斧の刃がついたようなものが現れる。そして走る勢いそのままに左手で若草に殴りかかる。
「…L4『甲鉄盾』。…な⁉︎…くっ…この重さは…」
若草が盾で受け止めるが攻撃の勢いを殺しきれず後ずさる。
「ぬかったな。今のは重さを最大にしている。そして…まだ終わらんぞ。」
そこに追い打ちをかけるように攻め立てる創士。燃える右手と重さが変わる左手の連撃。
「くっ、これは…」
防戦一方になる若草。しかし致命的なダメージは防ぎ続ける。
「さすがは若草大樹。これでも攻めきれないか。なら…L4『真刃の刀』、L4『轟の鉄槌』。合成『狩刺刈刃』。」
剣との戦いでも用いた大鎌を錬成。さらに前に出る創士。
「させませんよ。L4『斬大地』。」
若草が地面から槍を出し迎撃する。しかし
『ザンッ‼︎』
まるでそこに何もないかのように斬られてしまう。そして若草に向かって大鎌を振りかぶる。
「これで終わっ…ちっ、」
若草が遅延魔法を発動。大豪炎を放つ。指先から高密度の魔法を放つ若草。そのまま剣のように振るい狩刺刈刃を止める。
「ほぅ、俺の狩刺刈刃と鍔迫り合いができるか。これは初めてだな。だが…長くは持たんだろ。」
「えぇ、そうですね。ですが…僕はこれで良い。」
そう言い後ろに飛び退がる。
「準備が出来ました。『風舞の珠』『火焔の珠』そして、『地脈の珠』。」
若草が唱えると空中に三つの珠が浮かび上がる。
「!。来たか。しかし…地脈の珠はいつの間に?。そんな隙は与えていなかった筈だ。」
「そうですね。ですがこれが僕です。知略を巡らせ隙を突く。そしてこれが僕の本気です。」
空中にある三つの珠がぶつかり煙が上がる。そしてそこには…
「そいつが噂の…」
「はい、ミニ大樹君です。」
全長1メートル程のデフォルト化された若草が腕を組んで立っていた。
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「な、なんだあれ?。」
煙が晴れたとき、ちっちな若草が舞台に立っていた。それを見た重の口からこぼれた言葉であった。
「私も見たことないんだよね。話には聞いてたけど。」
花凛が珍しく真剣に見入りながら言う。
「ちっちゃい大樹さん?…可愛い。」
澪の口からも思わず声が漏れる。生徒会の面々の話からどんな魔法が放たれるのかとドキドキしていて完全に意表を突かれた形である。
「おいおい、本当にあれがそんなにやべーんすか?。」
剣が問いかける。
「見とったらわかる。今自分らが舐めてる魔法がどんだけぶっ飛んだ魔法かわな。悪いけど…こっからは解説は無しや。俺らも詳しくは分からんからな。」
風待が4人に向かって言う。どこか緊張の糸が切れたような4人に対し、若草の魔法を知っているメンツはさらに緊張感を増していた。それは自分達の尊敬する人が敗北する可能性を考えてしまったが故だった。
(会長…頑張ってください。)
真利谷はただ創士の勝利を祈るしかなかった。




