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合宿の始まり

「おーー‼︎。すっげー‼︎海だ‼︎。」

 重が大声をあげる。槙野が運転するバスに揺られること3時間。うとうとして外の景色を見ると海が広がっていた。


「あ?なんだ今まで気付いてなかったのか。」

 そんな重に剣が疲れたような顔で話しかける。何故剣が疲れているのか。それは…


「あ、剣君。それは無しだよ〜。待った!。待っただよ!。」

 後ろの席に座る花凛の相手をし続けていた為である。自己紹介の後から相手をし始め今まで途切れることなく相手をしていた。


「花凛、もう着くらしいぞ。だから終わりだ!。」

 そう言い剣は強制的に終了する。


「えー…しょうがないな。」

 不満そうな顔を見せる花凛。その顔を若草はにこやかに見つめていた。


「花凛がここまで懐くとはね。流石剣君。恐れ入ったよ。」

 車内に何に⁉︎と言った空気が立ち込めるが若草に気にするような様子は見られない。


「あ〜っと、着いてからの事を言っておくか。着いてから取り敢えず荷物を置く。そして…若草大樹。お前には俺と戦ってもらう。一発目全力でだ。」

 創士が到着後のスケジュールについて説明する。


「その間他の者は鍛錬に励んで良いし見学しても良い。自由にしてくれ。」

 創士がそう言うが全員が心の中で見学を希望していた。


「若草大樹、あれを出せよ。お前の本気を。」

 創士が若草に忠告をする。手を抜かず全力で向かって来いと。


「…分かりました。全力でお相手をさせていただきます。」

 いつになく真剣な顔で応える若草。


「おーし着いたぞ〜‼︎。早く降りやがれ。」

 槙野から合宿所に到着した事が告げられた。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 学園所有の合宿所は海に隣接し魔道士の為の訓練場も兼ね備えた所だった。それぞれの部屋に荷物を置き食堂に集まる一同。


「さて…若草大樹そろそろ行くか。」

 創士が座っていた椅子から立ち上がりそう告げる。そして食堂を出る。


「そうですね。行きましょう。案内お願いしますね。」

 若草もその後を追っていった。


「なぁ剣、どっちが勝つと思う?。」

 重が剣に尋ねる。剣は若草、創士両方の魔法を見た事がある。その経験からの意見を求めたのだった。


「さぁな。…だが、はっきり言って得体の知れないのは大樹先輩の方だ。どこまでが本気なのか分かんねーからな。…だが創士先輩の魔法を受け切れるのかって疑問もある。だから分からんな。」

 剣が自分の考えを話す。


「そうなんだよな。底が見えないんだよな。」

 2人で話し込んでしまう重と剣。その間に他の面々は食堂を出て行ってしまう。


「2人とも行かないんですか?。」

 話をしていた2人に澪が見学に行かないのかと尋ねてくる。


「あぁ、行くよ。これを見ない理由は無いからね。」

 そう重が答えた時…


「「ガヤガヤ…」」

 皆んなが出て行った先が少し騒がしくなる。その先にいたのは…


「…茜ちゃん!。もう着いたの!。」

 草薙の姿があった。


「あ、重君。(会えた!。)学園長に聞いて参加しても良いって。」

 重の顔を見た瞬間明らかにテンションが上がる草薙。


「あ、うん。それは聞いたよ。それでなんだけど…何か約束してたっけ?。」

 バスの中で槙野に聞いたことについて尋ねる重。重には約束した記憶がなかった為である。


「え…あ、(そうだ…咄嗟に約束があるって言ったんだった。…どうしよう…。)……。」

 学園長との会話を思い出し頭の中が真っ白になる草薙。その思考は停止に近づいていく。


「あ、すいません。それは私との約束なんです。どこかで話がこんがらがったみたいですね。」

 澪が話に割って入る。もちろんそんな約束などない。


「れ、澪ちゃん。…(ありがとう)。そう、そうなんだよね。」

 澪の手助けに乗り誤魔化しにかかる草薙。


「そっか。良かったぁ。なんか忘れてたら悪いなと思ってたから。」

 あっさりと信じる重。そこへ、


「重君達〜早くいこうよ〜。」

 花凛が大きな声で残っている面々に叫びかける。


「分かった!。分かったからそんな大きな声を出すな!。」

 剣がそれに返事をする。


「ってことだから取り敢えず行くか。」

 4人は食堂を後にしたのだった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「よし!。準備はこれくらいで良いか。」

 創士が体をほぐしながら言う。


「分かっていると思うが手を抜くなよ。なんなら俺に勝っても構わん。」


「そこまで言わなくても本気でいかせてもらいますよ。僕だって負けるのはあまり好きではないですかね。」

 真剣な顔つきで若草が言う。

 こうして七星2人の戦いが始まる。

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