学生の義務
「みんな分かっていると思うがそろそろまたテストがあるからな〜。しっかり準備をしておけよ。」
重達の担任である槙野が生徒達に向かって言う。その視線は心なしか剣の方を向いているようだ。
「…前回ギリギリだった者(剣の方を見る)今回悪ければ補習(地獄)の対象になるからな。いくら実技が出来てもダメだぞー(剣の方を見る)。」
「………(汗)。」
下を向いて微動だにしない剣。季節は夏。その額に汗が浮かんでいる。その汗が暑さによるものなのか冷や汗なのかは…。
「あ、後、矢沢はコンビ戦優勝おめでとう。それで…特典なんだが…テストが終わってからになるらしい。」
コンビ戦の優勝特典。七星現二輝と三輝と戦う権利。
「はい、それは全然構いません。私もテストの勉強したいですし。」
「そうか。んー、それじゃあ今日はここまでだ。火祭‼︎しっかり勉強しろよ。このクラスで1番ダメなのはお前だぞ。」
はっきりと告げる槙野。
「おい!俺のプライバシーはどうした⁉︎。なんで言っちまうんだよ。」
机をバンバン叩き憤りを露わにする。
「ん?聞こえてたのか。あまりに反応がないから自分の事だって分かってないのかと思ってな。」
「分かってるよ!だからどうしよっかなって考えてたんだよ‼︎。俺がバカだってバレたじゃねーか。」
怒りが収まらず立ち上がり槙野に食ってかかる剣。
「剣、お前がバカなのはみんな知ってる。」
重が立っている剣に向けて言い放つ。
「…え⁉︎…嘘だろ。…嘘だって言ってくれよ。」
崩れ落ち着席する剣。
「ちゃんと言ったからな。はい、お疲れ。」
槙野が帰ってしまう。
「…そうか、俺がバカなのはみんな知ってたのか…。」
燃え尽きた剣。その背中には哀愁が漂う。
「しっかりしてください剣さん。今回も私がしっかり面倒を見ます。絶対に補習から救ってみせます。」
拳を握りしめ澪が決意を表明する。
「矢沢…お願いいたします。」
澪に向かって頭を下げる剣。その顔は真顔だった。前回の勉強は中々ハードだった。それを超える可能性を考え早くも表情が引き締まっている。
「ちゃんと勉強しろよ剣。前はあんなに面倒を見てもらってギリギリだったんだからな。剣次第だぞ。」
重が剣に向けて言う。
「分かってるよ。今回こそはお前らに目にもの見せてやるよ。」
「はいはい、頑張れ。」
軽く流す重。こうしてテスト期間がスタートする。果たして剣の運命や如何に。
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「頑張ってるね。」
場所は全星寮。重、剣、澪の3人はリビングで勉強をしていた。そこに庭の手入れを終えた若草がやって来る。その額には汗が滲んでいる。
「はい、…若草さんは勉強しないんですか?。」
重が尋ねる。若草が勉強しているところを目撃した事がなかったのだ。
「ん?僕かい?。まぁ、授業をちゃんと聞いているからね。それなりに点数が取れているから特別勉強することはないかな。」
額の汗を拭いながら若草が言う。その言葉に反応する男が1人…
「…呪ってやる。」
剣である。澪と勉強することになったのだが前回の反省を受け以前よりスパルタになっていた。その反動である。
「剣さん。しっかりしてください。」
少し若草に気をとられた剣を澪が叱責する。
「お、おぉ。……呪ってやる。」
一時正気を取り戻すがまた暗黒面に取り込まれる剣。その顔には生気がない。
「…中々苦戦してるようだね。でも僕は信じているよ、君達なら出来る。」
そう言って風呂に向かう若草。
「…相変わらず不思議な人だな。」
「…殺す。殺してやる。」
「剣さん‼︎ちゃんと教科書をみてください!。」
夜は更けていく。




