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決勝に進むもの

「はははっ…と。笑ってもいられないか。重!。次で最後だ。俺の限界を見せてやるよ。」

 そう言い魔力を高める剣。


(まだ上があるのか⁉︎。…俺も賭けるしかない。)

「そうかい。なら俺も限界を超えてやるよ。」


「L4『風斬りの大剣』L4『焦気の大剣』。ふぅ、…合わされ。』

 若草と戦った時に使った武器を錬成する。剣の右手は剣から溢れ出る炎に包まれる。


「なんだよその剣は…って手燃えてんじゃん。それは俺のだろ。L2『火炎』×100。ここから更に…L2『火炎』×100。ウォォォオ!。」

 火拳を両手に発動する。


「お互い時間がないみたいだな。いくぞ‼︎。」

 剣が大剣を引きずりながら突進する。大剣に触れた地面を切り裂きながら迫る剣。


「受け止めてやるよ。」

 両手を前に構える重。


『キュィィィィィー…ドゴッ‼︎。』

 横薙ぎされた大剣を重が受け止める。


「ぐっぐぐぐ……うわっ。」

 一時均衡したが大剣に押し切られてしまう重。


「バカが、この剣は全てを壊す『壊刀』だ。今はまだ俺の体ごと壊すくらいだ。お前の拳ごときでなんとかなると思うなよ。」

 勝ち誇ったような顔をする剣。さらに跳躍し上からトドメをさそうとする。


「まだっ…だ!まだ終わってないぞ。」

 左手の火拳を解放。剣に向かって放つ。


「…それも…ぶち壊そう。うおりゃ!。」

 重の魔法も一刀のもとに斬り捨てる剣。しかしその間に重は態勢を整える。


「これで…最後だー‼︎。」

 踏み込み跳躍する重。2人の剣と拳ご衝突する。


『ドゴーーーー…』


(押し切られる…力が入らない…これは…もう魔力が…)

 焦る重。その動揺は剣に伝わってしまう。


「花凛のおかげだな。俺はお前に…勝つぞ!重。ウォォォオー‼︎。」

 渾身の力で重を地面に叩きつける剣。


『ドンッ…ガッガガ…』

 地面に叩きつけられ転がる重。


(体に力が…く、くそ…)

「…立て、立てよ俺。…くそーー‼︎…『バタッ』…。」

 そのまま倒れてしまう重。


「解除。…重、俺の勝ちだ。」


「勝者17番ペア。明日に備えてゆっくり休みなさい。」

 立会いの教師が告げる。

「う、はぁぁぁ〜疲れた。」

 そう言い倒れる剣。その顔は満足げな顔をしていた。その後草薙、重、花凛、剣の4人は保健室に運び込まれることになる。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 一方もう一つの準決勝は圧倒的な結果だった。あの二人組によって。


「ぐっ…くそが…なんなんだお前らはどこまで強いんだ。」

 そう言い男が倒れる。


「済まないな。君たちが強かったので手加減ができなかった。だけど俺はどうしてもこのトーナメントを勝ち抜きたいんだ。」

 夢坂が倒れた男に向かって言う。


「あなたもそうよ…夢坂君だけじゃない。あなたもいつの間にそこまで…」


「私は…胸を張れるようになりたいんです。このトーナメントで優勝できたら…だから私は勝ちます。」

 澪が瞳に強い力を漲らせ言う。


「勝者4番ペア。明日に備えてしっかり休養してください。」

 こうしてもうひと組の決勝進出者が決まった。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「かっかっか!。面白い奴がいるじゃないか。あれで1年?この学年はあたりじゃないか。去年の()()()に匹敵する奴もいるな。」

 男…如月花月は顔に笑みを浮かべながら試合を見ていた。


「そうだ。明日の暇だしここに来ることにしよう。問題はないよな?。」

 隣を歩く学園長に向かって尋ねる。


「…条件として私があなたと同行します。さらにあなたの魔力を十分の一にカットさせていただきます。それでよろしければ明日の朝に校門にいらしてください。」

 如月とは目を合わせずに学園長が言う。


「かぁ〜、おいおいテンカットとか犯罪者かよ。同じ国家魔道士のあんたが隣にいてなおかつ十分の一にされるとかどんだけ俺は信用ないんだよ。」

 顔に手を当て上を見て言う如月。


「…でもまぁそれでもいいぜ。んじゃ明日の朝にここで待ってる。」

 そう言い手を振りながら帰っていく。


「…明日何も起こらなければ良いのですが。」

 学園長の苦悩は続く。


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