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下の戦い 2人の戦い

「ちっ、硬ーな。俺の剣撃を受けきるとはな。」

 剣が構えを解いて言う。剣の両手に握られていたふた振りの剣はその勢いをなくしていた。


「舐めないで。私だって二つ名持ちなの。あなたを抑えるぐらいしてみせる。L4『鋼鉄鎚』。」

 草薙の右腕についた籠手が膨れ上がりさらに大きさを増す。それはさながら破城槌のようであった。


「この狭さなら速さは関係ない。一撃の重さで決めてみせる。この一撃に全てをかける。」


「…お前の使う魔法はこの学年で恐らく最硬だろうな。だからこそ俺はそれを超えてみせる。」


「この槍は全てを貫く。L3『黒土の槍』、L3『風槍』。名付けて『風纏螺旋槍』。」

 剣の手には一回戦で使った大きな槍が握られていた。当然槍が纏う風によって剣の右手は切り刻まれる。


「この槍はまだ俺が扱うには早いみたいでな。あまり時間はかけられないんだ。いくぞ!。」

 剣が飛び出す。


「…L3『土門』。」

 剣の槍を一回戦で見ていた草薙は土門では止まらないことは知っていた。ただ溜める時間を欲していただけだった。


「こんなもの、俺の前ではなきに等しいぜ。」

 土門を貫く剣。その眼前には右手に力を溜める草薙の姿があった。


「はぁぁ、いっけぇー!!。」

 右手を打ち出す草薙。純粋な重さ。その暴力的な力が剣に迫る。


「…お前は何か勘違いをしてるようだな。この槍は砕いてるんじゃない。貫いてるんだ。だからその籠手も…」

 槍によるピンポイントの一撃。草薙の力を受け流すように侵食していく。


「…私の魔法が…。…まだだ。まだだ負けてない。」

 右手を軸に宙を回り左手で剣に殴りかかる草薙。それは冷静さを欠いた行動だった。


「それも分かってる。L3『黒土の盾』。さらにL3『土鎖縛』。」

 左手の攻撃を受け止められさらに盾に鎖でつなぎ止められてしまう。


「な、う、動けない。」

 右手は槍に左手は盾に絡め取られ宙に浮いてしまう草薙。


「これで終わりだ。L4『斬大地』。」

 剣の魔法が発動し下からの槍で貫かれる草薙。


「…カッハ…………。」

 そのまま動かなくなってしまう。


「終わったか。…上はどうなったかなだな。」

 魔法を消し脱出をしようとする剣


(体が…動かない…魔力がなくなってるからだ。重君は…どうなったかな。勝ってくれてるはず。なのに…私は…まだだ。どうせ切れるなら…最後だ。)

「え、L3『浸透撃』。…」

 拳で地面を叩く草薙。その衝撃が剣に足元から伝わる。その結果を確認することなく草薙は気絶してしまう。


「な、まじかよ。体を貫かれたのにまだ意識があったのか。油断したぜ。」

 草薙の方を見ながら剣が言う。


「…だがまぁ、もう意識はないみたいだな。あとはL3『風槍』。」

 風槍を上に向けて投げる。


『ドーーン。』


「さて、どうなってることやら。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

「重。花凛に結構持っていかれたみたいだな。今から言い訳を考えといたほうがいいんじゃないか。」

 剣が重に向かって言う。


「剣こそ茜ちゃんは強かっただろ?。降参してもいいんだよ。」


「…………。」


「ふぅ、ぶっ飛ばすか。L3『風槍』L3『黒土の槍』。合成『風纏螺旋槍』。」

 風の槍を錬成する剣。


「あれは…そうか剣。なら俺も始めから全開だ。集まれ…『火拳』。」

 剣に応え火拳を発動する重。お互いリスクを冒して最大火力で勝負を決めようとしていた。


「L2『蛍火』×100。」


「そんなの俺には効かんぞ。L4『華炎陣』。」

炎の壁で全てを受ける剣。


「L2『篝火』×10。」


「…お前が何するかぐらい分かってんだよ。」

 あらかじめ目をつぶっていた剣は重に斬りかかる。


「…そんな甘くないよね。うぉりゃー。」

 火拳と風纏螺旋槍がぶつかる。


『キュィィィィィーンッ』


「ち、まじかよ。この槍でも刺しきれないだと。バカみたいな右手だ。」


「この拳で壊せないなんて…。硬度が高すぎる。」

 お互いに自分のとっておきが相手と互角だったことに苛立ちをみせる。


「…L4『斬大地』。」

 一旦距離を取ろうとする剣。


「そんなの…壊す。」

 重は壊し続ける。


「…いってこい!。L3『大豪炎』。」

 距離を取り槍を重に向けて投擲する剣。投擲の瞬間に魔法を発動し加速させる。


「な⁉︎それは待てよ…あぁもう!、隠してたのに…開放×10。…絞れ…。」

 蛍火をうったときに貯めておいた火炎を使う重。 本来は奇襲用に使いたかったが剣の槍をそらすために使用する。射出口を絞られ左手の手のひらから放たれる。


(…これでも進んでくるのか⁉︎。…叩き落とす。それしかない。)

 魔法の中を進んでくる槍。重に到達しようとしたとき横から火拳で殴り軌道をそらせる。


「ははっ、やっぱりお前はおもしれーよ重。最高だ。」

 そう様子を見ていた剣が笑う。


「剣だってやってくれんじゃん。よくこんなえぐい魔法できるよね。」

 重も笑うのだった。


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