初めての実技
星光学園では座学と実技の時間を設けている。午前は座学、午後は実技となっている。そして今は…
「今から初めての実技訓練を行う。と言っても特にこちらから何かを提示することはない。求められれば与えるが原則は自分で考えろ。強くなる方法は人それぞれだからな。」
重達のクラスの担任である槙野悠次郎が言う。因みに重、剣、澪は3人とも同じクラスである。学年に3クラスなのでなんの不思議もないが縁があったということにしておく。
「ってことだけど重お前はどうするんだ?。俺は形をやろうかと思ってるんだが。」
剣が重に言う。この形とは武術などの形のことである。剣のスタイルの場合これが実力に直結する。
「ん〜そうだな…どうし…」
「あ、あの…私と一緒に訓練してもらえませんか?。」
重と剣のところに澪がやってきて言う。
「澪ちゃん、もちろんいいよ。それでどんな訓練にする?。」
重が澪に尋ねる。剣のことはよく知っているが澪のことは基本的に何も知らないと言っても過言ではないので彼女に一任したのだ。決して自分で考えるのがめんどくさかった訳ではない。
「あの、実は私…自己変化型なんですけど…。」
「マジで⁉︎超珍しいじゃん。あれ?でもそれならこの前の先輩なんか相手にならないんじゃないの?。」
重がこの前の先輩に対して若干失礼な発言をする。しかしそれほどまでに自己変化型は優れている。
「あの…それは突然声をかけられて戸惑ってしまって。それにまだ完全に変化できるわけじゃないので…」
「そうなんだ。確かに完全変化は難しいらしいね。自己変化型の中でも一部しか到達できないって聞いたことがあるよ。」
完全変化できるかどうかを分けるのは才能。自己変化型に選ばれるだけでは完全変化はできない。
「はい、それで私と戦って欲しいんです。完全変化に至る為にはその物質との共存つまり経験値が必要らしいんです。」
「うん、それは全然いいよ。むしろこっちからお願いしたいぐらいだよ。」
重は滅多に戦えない自己変化型との戦いに燃えていた。
「それじゃあ移動しようか。ここじゃ思いっきりできないし。」
そう言い無人の闘技場を3人で目指すのだった。
この作品も私が連載している作品です。1話1分程度で読めるのでトイレの時などに是非。
Dストアストーリー
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ドラックストアの店員たちの日常を書いています。