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テスト返しと新たな目標

「それじゃあ今からテスト返していくぞ〜。みんな知ってると思うが赤点をとったら補習(地獄)の後追試を受けてもらうからな。」

 担任である槙野が生徒たちを見渡して言う。


「えーと名前の順でいいか。赤司…」

 順番に生徒の名前を呼びテストを返していく。


「…頼む。俺はできることは全てやったはずだ。神よ俺を助けてくれ。」

 ひたすら拝み倒す剣。テストは既に終わっているので今更頼まれても神も困ってしまう。


「…火祭…何とか堪えたな。穂村…」

 槙野が剣にテストを返す。そこには…


「…ない、ないぞ。赤点はないぞ。やったー。」

 テスト用紙を撒き散らしながら喜ぶ剣。


「…八神…矢沢…」

 重と澪もテストを受け取る。


「まぁまぁかな。平均はあるしいいか。剣も赤点なかったんだろ。」

 重が剣のテスト用紙を拾い集めながら言う。


「ってお前、ギリギリじゃないか。澪ちゃんにあんなに勉強を見てもらってこれかよ。」

 重が見た剣の答案にはお世辞にもいいとは言えない点数が示されていた。


「うっせーよ。こんなのは超えちまえばいいんだよ。…俺はやり遂げたんだ。」

 達成感に包まれる剣。


「あーひとつ言っておくが今回のテストがパスしたからと言って安心するなよ。次のテストが悪ければ累計でも追試があるからな。」

 槙野の口から放たれる絶望の言葉。


「…大丈夫、まだ次のテストまで一ヶ月もある。全然時間はあるんだ。」

 現実から目を背ける剣。


「知らないからな。」

 そんな剣に呆れる重。そのまま自分の席に戻り後ろの席の澪に話しかける。


「澪ちゃんのおかげで剣のやつ追試は回避したみたい。ありがとうね。…澪ちゃんはテストどうだった?。」

 重が澪にテストの点数を尋ねる。


「あ、はい。そうですね。勉強をしていたところが出てくれて。それに剣さんに教えていたので自分でも理解が深まったみたいです。」

 そう言ってテストの答案を見せる。そこにはほぼ満点の点数が並んでいた。


「す、すごいね。(格が違う)。…こんな澪ちゃんに教えてもらって剣は何でギリギリなんだよ。」

 澪の頭の良さと剣の要領の悪さに驚く重。


「はい、静かにしろ。今回追試の対象者はいなかった。ただ何人か危ない奴がいるから気をつけろよ。」

 その目は剣を睨んで離さない。


「それから来週から実技ではコンビを組んでもらう。誰と組むか考えとけよ。このクラスじゃなくてもいいぞ。決まらない奴はこっちで適当に決めるから。決まったら職員室まで言いに来てくれ。」


「コンビ?。何でそんなことを…」

 剣が槙野に尋ねる。


「戦いでは一対一になるとは限らないからな。多対一や多対多の戦い方を学ぶべきなんだ。だから自分を活かしてくれるパートナーを探したほうがいいぞ。」


「そんで2週間後にはコンビでのトーナメントを行う。その優勝コンビには特典があるからな。」

 槙野はそう言うと生徒を見渡す。


「特典は…生徒会長創志、副会長真利谷とのコンビ戦だ。良い経験になると思うぞ。そんじゃ午前はここまで。」

 そう言い教室を出ていく。


「おい、マジかよ。」

 にわかに活気付く教室。現役七星の第二輝と第三輝と手合わせする機会などめったにあるものではない。この興奮は午後の実技が始まるまで収まることはなかった。



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