実技テストは力試し
「よし、そこまで筆記用具を置け。今から集め…おい、火祭ペンを置けって言ってるだろ。」
テストが終了しみんなが一息つく中、剣だけ粘っていた。当然のように注意される。
「…うす。…何とか…なったか?。」
不安げな顔になる剣。澪との猛勉強の結果ギリギリのラインまで到達できた。あとは神のみぞ知るということになった。
「よし、全員分あるな。まぁとりあえずご苦労さん。実技のテストは明日行う。第1闘技場に始業の時間までに来るように。あ、あと火祭、矢沢、八神は別だ。会議室に行ってくれ。」
そう言い槙野が教室を出る。
「何でしょうね。何か特別なことをした方がいいんでしょうか?。」
澪が不安そうな顔で言う。
「ん〜特に何も言われなかったけど…心積もりはしといた方がいいかもね。(大樹さんが言ってたのはこのことか。)」
前に若草と話をした時にはぐらかされたのはこのことだと確信する重。
「どう思う?つる…ぎ。…寝てる。」
剣に意見を聞こうと思ったが剣は机に伏して寝ていた。
「剣さん頑張ってたので。」
剣の努力を知っている澪がかばうように発言する。
「…仕方ないな。俺が担いで行くよ。」
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次の日
「確かここでよかったよね。」
始めてくる場所に緊張をにじませる重。
「あぁ多分そうだろ。」
「あ、もう誰かいますね。」
澪がドアに手をかけて言う。その言葉通り中から声が聞こえてくる。
「ガチャ…失礼します。」
3人で室内に入る。するとそこには見知った顔と知らない顔が入り混じっていた。まずは見知った顔。
「お!。来たね。さぁ座りなよ。」
若草大樹。
「か、重くん。また会えた。」
草薙茜。
「やはり君もか。重。」
夢坂当夜。
「あら?。また会ったわね。」
水野舞美。ここまでが顔見知り。このほかに3人、人がいる。重達が席に着くと、
「さて、来てもらったのは他でもない。毎年1回目の実技は上位5人に限り2年の上位5人と戦うことになってるんだよ。あ、安心して実技のテスト自体は免除だから。」
若草が説明する。
「それで戦ってもらう相手だけど…」
「わーかーくーさ。話が違うじゃねーかよ。」
重達が知らない顔のうち1人が駄々をこねる。
「俺はお前とやれるって言うから来たのによ。何だよこれ?。」
「何で俺がこんな一年坊主の相手をしなきゃダメなんだよ。若草もめんどいだろ?。こんなのやめて俺とやろうよ。」
好き勝手言う男。
「この中に俺の相手になるやつはお前だけだよ。2年も入れてな。」
同じ学年のはずの2年に対しても勝手を言う。しかし声は2年からは上がらなかった。
「俺とやりましょうよ。」
「俺とやろうぜ。」
「俺がやりますよ。」
重、剣、夢坂が声をあげる。
「ダメダメ〜。めんどくさい。」
机に突っ伏しながら言う。
「…仕方ないな。七星としての権利を行使しまーす。七星は七星との戦い以外は断ることができまーす。はい、これで俺の相手はいなくなったよね。お疲れさんです。」
そう言って立ち上がる。
「俺がいますよ。現七星第六輝を拝命している俺が。」
夢坂が名乗りをあげる。
「え?何それ聞いてないんだけど。」
素っ頓狂な声をあげる男。
「当然だよ。君はサボったじゃないか。霧島君、この前の北斗会で発表されたんだよ。彼が今の第六輝夢坂当夜君だよ。」
北斗会とは七星の集まりで基本的に七星の交代などの時に開かれる。そして男の正体が明かされる。七星第一輝霧島飛春。
「…へぇ、いいじゃん。ちょっとやる気出てきたよ。」
「ふぅ、それじゃあ説明に戻らしてもらうよ。対戦は夢坂君と霧島君。剣君と僕。澪ちゃんと風待君。重君と水野さん。草薙さんと並木さん。この組み合わせでいくから。」
若草が説明を終える。
「それじゃあ別れてね。あとは2年生に任せるよ。」
そう言い若草は剣に目配せをして出て行った。
「おい、ちょっと待ってくれよ。」
それについていく剣。
「澪ちゃんってあんたかい?。」
男が、風待が話しかける。
「あ、はい。そうです。今日はお願いします。」
返事を返す澪。
「そんじゃ行こうや。」
2人は出て行った。
「現役の七星か。いいだろう、俺が相手をしてやるよ。」
霧島が立ち上がる。
「吠え面かかせてあげますよ。先輩。」
すでに戦闘モードの夢坂。
「私の相手は君ね。よろしく水野舞美よ。」
「はい、よろしくお願いします八神重です。」
「……行く。」
無口な少女、並木が部屋を出る。
「ちょ、待って…。」
草薙も後を追って行った。
ここに5組の戦いが幕を開ける。
明日も更新します!。
よろしくお願いします。