入学式3
「本校では決闘を推奨している。今朝早くも一年生が決闘をやらかしたらしい。大いに結構。この学園では強さが全てだ。意見を通したければ強くなれ。」
生徒たちより一段上の舞台から男が生徒たちに語りかける。この学園の校長。現役の国家魔導師である。その実力は国内屈指とも言われ他国にもその名が轟く有名人である。
「ただ…自分の実力を見誤るなよ。実戦に出ればそれは命取りになるぞ。」
と最後に少し怖いことを言う。しかしそれは本当の戦いを知ってる者からの忠告だった。
「それでは続きまして生徒会長より挨拶があります。」
アナウンスが流れる。そして男が壇上に上がる。眼鏡をかけた真面目そうな男である。
「新入生の皆さん、入学おめでとう。生徒会長を拝命している創志貫介だ。さてこれからの学園生活だが楽しいことだけでなく苦しいこともたくさんあるだろう。辛いこともある。だが乗り越えろ。ここはそういう場所だ。この学園は強者を望んでいる。この中の誰かが将来の七星、ひいては国家魔導師になる。以上だ。」
そう行って壇上を降りる。
「剣。あの人強そうだね。七星かな?。」
重が剣に話しかける。
「…ん?あぁそうだな。生徒会長ってぐらいだから七星なんじゃねーのか?。」
少し寝ていた剣はぼんやりとしながら述べる。
「それではこれをもちまして…」
「少し待ってもらおう。」
校長が話を遮る。
「この学園に入学した諸君は魔導師志望であると思う。それも国家魔導師を目指しているだろう。そのためには経験を積まなくてならない。だからこの学園では決闘を推奨しているわけだが…一つ警告しておく。七星との教師の立会いなき決闘を禁じる。理由は…わかるだろう?。」
案に七星との実力差を新入生に伝える。今はまだ力を高める時期である。だから挑むのはやめろと。
「…それではこれをもちまして入学式を終了いたします。新入生の皆さんは本日は解散となりますので各自寮までおかえりください。」
再度アナウンスが流れる。
「よし、終わったし帰ろうか、つる…ぎ?。」
重が剣の方を見て固まる。
「…グー…グー。」
剣は爆睡していた。
「お前は今日何もしてないだろ。」
重は先輩との戦闘をこなしたが剣は見ていただけだった。
「…ん?終わったか。帰るぞ重。」
そう言い何もなかったかのように帰って行った。
この作品も私が連載している作品です。1話1分程度で読めるのでトイレの時などに是非。
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ドラックストアの店員たちの日常を書いています。