テストは準備が8割
12月12日に予定通り1話から6話までの改稿をさせていただきました。視点を一人称から三人称に変更しました。
「あぁそうだ。君たち定期テストの準備は済んでるかい?。」
若草が夕飯の後3人に問いかける。
「そうですね、座学の方は問題ないと思います。…実技の試験って何をするんですか?。」
重が尋ねる。座学はペーパーテストだろう。だが実技の試験とは?。みんなやっていることは違うのだ。
「ふふ、それは楽しみにしておいてよ。多分楽しめると思うよ。」
意味深な顔をする若草。
「……座学。頼む!誰か俺に座学を教えてくれ。」
普段の授業を寝て過ごす剣が顔を真っ青にして助けを求める。重は首を横に降るが、
「わ、私で良ければお教えしますよ。」
そんな剣に手を差し伸べる澪。剣には澪が天使のように見えていた。
「そんなやつ助けなくていいよ。完全に自業自得じゃないか。座学もできないと魔道士としてやっていけないんだし。ここで一回追試を味わわせた方がいいよ。」
重が澪に言う。魔法の理論などの座学はオリジナルの魔法を開発する際など多岐にわたり活用される。馬鹿では一流にはなれないのである。因みにこの学園の追試は20時間の補習(監禁)の後に行われるため地獄と呼ばれ重達1年生にも知れ渡っている。
「それでも…可哀想ですし。その代わり今回だけですからね。」
それでも剣の勉強に付き合うと言う澪。剣の中では天使から女神に進化していた。
「ほんっっとうに助かる。この恩は必ず返す。」
澪の手を握り剣が言う。
「…それじゃあ今から始めましょう。」
剣の手を握り返しそのまま席を立つ澪。
「え⁉︎今から⁉︎ちょっ、え⁉︎早くない?。」
突然の勉強開始に動揺する剣。
「何事も早め早めを心がけましょう。そうすればいざという時に焦らなくてすみます。」
そう言い剣を自分の部屋に連行していってしまう。
「…いっちゃった。まぁあいつもこれを機に勉強するようになればいいか。」
他人事なのであまり干渉しない重。一方…
「良い!これぞ学園生活だよね。君たちに住んでもらって本当に良かった。」
若草はよくわからないことで感動していた。
「…時に重君。君は1年生の中で自分がどれくらいかわかるかい?。」
唐突に若草が尋ねる。
「どれくらいって強さのことですよね。…多分今はまだ夢坂には勝てないと思います。それに…剣と澪ちゃん、草薙さんもわからないですね。それでも上の方にはいると思います。上位5人の中には入っていたいですね。…何でそれを?。」
重が言う。夢坂には以前勝ったがあの時は全く本気ではなかった。あんなもんで済むわけがないと思っていた。剣、澪、草薙の3人も同時期に二つ名を手に入れた。優劣はつけ難い。
「いや、少し気になってね。」
相変わらず真意の掴めない若草。
「…さて僕も少し勉強をしようかな。僕も授業を真面目に受けているとは言い難いからね。」
重達が帰ってきた時に泥だらけの若草に会うことがあるのだがそれは若草が学校をサボって寮の庭をいじっていたりするからである。
「それじゃあ僕は行くよ。あ、部屋の電気はちゃんと消してきてね。」
そう言い若草は去っていった。
「何だったんだろさっきの質問…。」
重には少し疑問が残った。
次回更新は12月17日になります。
よろしくお願いします。