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引きこもりの特権者

 ???「あれ?。こんなところに人が…。…仕方ないな。」

 倒れた澪のそばに人がやってくる。ダボダボのスウェットのような服を着てフードをかぶっていて容姿を見ることはできない。


「久しぶりに外に出たらこれだよ。めんどくさいな〜。学校に届けないとダメかな〜。…それはないな〜。L5『星華火』。」

 その人物が片手を上にあげ唱える。すると空に巨大な光球が打ち上がる。


「ふぅ、これでいいかな〜。私にしては頑張ったよね。帰ろ帰ろ。」

 そう言いその人物は去っていった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「…あ、ここは?。」

 澪が目を覚ます。澪の記憶は水野と戦い水野が去ったところで途絶えていた。しかし目を覚まして見えた景色は見覚えがあった。というか寮のリビングだった。


「あ!澪ちゃん目が覚めた?。」

 重が澪に声をかける。


「びっくりしたよね。なんかすっごい光が上がったと思って見にいったら澪ちゃん倒れてるんだもん。」


「確かにな。校舎からも見えたしな。」

 課題の提出を終え校舎から出たところすごい光が空に上がった。それを見て駆けつけたところ澪が倒れているのを発見したのだった。


「ご心配をおかけしてすみません。実は今日…。」

 澪が今日あったことを重と剣に説明する。2年生と戦ったこと、水帝になれたこと、勝ったこと。


「へー俺たちがいない間にそんなことがあったんだ。…てか待って。いま帝って言った?。」

 重が突っ込む。以前はなれなかったはず。


「はい、その時は無我夢中で。」


「帝か。俺もやってみたいな。帝とやる機会はそんなにないからな。」

 剣が目を輝かせる。


「…それが…今は多分なれないと思います。なんか分かるんですよね。あの時は成れるって確信的なものがあったんですけど…。」

 澪が考えながら言う。今はその確信が持てない。


「まだ完全に習得したわけじゃないんだろうね。」

 若草が部屋に入ってきた。


「水野さんに聞いたよ。彼女とやったらしいね。そこで水帝になったことも。」


「あれ?大樹さん、さっきまで何処に行ってたんすか?。」

 重と剣が澪を連れて帰ってきた時若草はすでに帰っていて晩御飯の用意をしていた。しかしいつの間にかいなくなっていたのだ。


「うん、ちょっとね。」

 言葉を濁す若草。


「それより澪ちゃん。君が成長してくれて僕は嬉しいよ。帝になれるのは自己変化型でも多くはないからね。君がその壁を超えれたことを僕は誇りに思うよ。」


「帝に常時なれるようになったら俺ともやってくれ。」


「ずるいよ剣。俺が先にやるんだよ。」

 どっちが先に澪と戦うか争う重と剣。


(…私が…2人に…。私もこの寮にふさわしい生徒になれたかな。)


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 少し時間が遡る


(はぁはぁさっきの光。あれは…。)

 若草は走って澪が倒れていた闘技場に来ていた。


「若草大樹。お前も来たか。」

 そこには創志がいた。隣には真利谷もいた。


「お前も感じたようだな。そうだ、さっきの光は星華火だ。」


「この学園に星華火を使える人がいたんですね。」

 若草の知る限りでは生徒ではいないはずであった。


「そうか…貴様は知らなかったな。俺は、いや、三年なら知っている。銀城葵。第七輝だ。」

 創志がこの魔法の使用者を断定する。


「銀城葵さん…。僕が入る前に七星に入っていた方ですよね。その姿は見たことがありませんが。」


「あの子は私たちよりも早く成果を残しました。そして七星の第七輝になりました。」

 真利谷が銀城について説明する。


「今思えばそれすら奴にとっては引きこもる為だったのだろうな。七星の特権を得た銀城葵は引きこもってしまった。」


「変わった方だったんですね。」

 国家魔導師になる為のこの学園で引きこもりは珍しい。というより初であった。


「あぁだが強い。今日はなぜか外にいたようだな。」


「会長。もう特に用は無いですし仕事も溜まっておりますので帰りましょう。」


「…わかった。」

 2人は去って行った。


「…特に害はないみたいだね。よかった。澪ちゃんを助けてくれたのかな?。」

 若草もその場を去るのだった。


次回更新は12月8日になります。

よろしくお願いします。

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