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澪の戦い

「「体水化」」

 2人同時に自己変化発動の言葉を放つ。


(この人も私と同じ自己変化型。打撃でのダメージは望めない。)


「L3『時雨弾』。」

 先ず遠距離から様子を見ようとする澪。


「フン、…L3『水陣壁』。」

 水の壁を張って時雨弾を相殺する水野。


「まだまだいくわよ。L4『天海』。」

 水野が唱えると水で出来た10センチ四方の立方体が出来上がる。


(あれは一体?。…とりあえず今の所は何もないみたいだけど。)

 水野が召喚した立方体を観察する澪。しかし相手は待ってくれない。


「ぼーとしてる暇はあるのかしら?。L3『水撃掌』。」

 水野の両手が水で包まれる。そして澪に向かって打撃を加えてくる。


(打撃?。打撃でダメージは…っ。違う!。だから魔法を纏っている。つまりこの攻撃は…通る。)


「ぐっっ。え、L2『散り霞』。」

 水野の攻撃でダメージを受けた澪は散り霞によって姿を隠す。


「いやーね。そんな醜いことを。」

 水野は追撃をしてこない。


「…L4『水陣塔』…L4『水成槍』。」

 水野の周りに4枚の壁を召喚。そこから無数の水の槍が降り注ぐ。若草戦でも使ったこれは若草ですら遅延魔法を使わなければ防げなかった。


「結構危ないことをするのね。でも…届かない。」

 そこには無傷の水野と少し小さくなった立方体があった。


「…嘘…。」

 流石に澪もショックを隠せない。


「こんなものなのかしら。そうだとしたら若草くんは見る目がなかった言わざるを得ないわ。」

 澪を見下ろしながら水野が言う。


「ぐっ…。まだ…です。まだいきます。L4『水鎖』。」

 水の鎖が水の足元から全身を拘束しようと出てくる。


「甘すぎるわ。」

 そう言うと水野は手を立方体にかざす。すると突然水鎖が断ち切れてしまう。そこに残ったのは更に小さくなった立方体。


「…今のは。まさか。」

 何かに気づいた様子の澪。


「あら?。気づいたかしら。…そうよね。あなたは若草くんのところにいるのよね。そう、この『天海』は魔法を貯めておくのよ。一つだけしか出来ないけど。若草くんの魔法を見て考えたわ。」


「そしてこの魔法はそれだけじゃない。一度発動すればこの場所で使われた魔法の魔力を吸って貯めるのよ。だからいくらでも撃てるの。」

 魔力を再利用。発動時に漏れ出た魔力を動力にする。


「…こんな私なのに…これだけの才能があるのに…若草くんは私を同等に扱ってくれなかった。だから…あなたを完全に倒し若草くんを後悔させてあげるわ。」

 水野が昔を思い出しながら語る。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 半年前。


「若草くん。七星入りおめでとう。」

 水野が若草の手を握りながら言う。


「うん、まぁ成り行きでなっちゃっただけだからね。」

 若草が苦笑いしながら答える。


「僕としてはみんなと同じ寮がいいんだけど…仕方ないね。」


「そ、それなら私なんてどうかな?。ほ、ほらこないだ二つ名持ちになったし…。」


「…ごめんね、水野さん。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あの時から私は更に強くなった。今なら若草くんにも勝てるわ。今から若草くんを襲っちゃおうかしら。」

 水野が悦に入った表情で言う。


「……………。」


「どうせ他の1年生も大したことないんでしょ。若草くんは本当に見る目がないわね。」


「……それ以上言わないでください。」

 澪が呟く。


「何?。なんか言ったかしら?。」


「それ以上全星寮のみんなの悪口を…言うな!。」

 澪の目に覚悟が宿る。


「…L5『水帝』。」



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