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夢に繋がる道

「…うおっしゃっあぁぁぁぁぁぁ‼︎。生き残ったぜ!。俺は…進級出来る。」

 テストが全て返却された。毎時間返却されるテスト。剣の表情はテストを受け取るたびに明るくなっていく。そして最後のテストを受け取った瞬間これまでの苦労とその対価に剣が爆発した。


「火祭、確かに君は今回のテスト、大変努力したようだ。だがそれとこれとは別だ。廊下に出てなさい。」

 無慈悲に告げられる廊下行き。だが今の剣にはそんなこと苦でもない。文句一つ言わず廊下に出る。


(…やってやったぜ。殆ど全教科平均点ぐらいある。これだけの点数が有れば3学期に欠点を取らなければ大丈夫なはず。…やっと魔法の鍛錬が再開できる。)

 1人これまでの苦労に物思いにふける剣。心なしかその瞳には涙が浮かんでいるようにも見える。


「…火祭剣、何故泣いている?。」

 そんな剣の前に創士と真利谷が通りかかる。2人の手には紙の束が乗せられていた。


「な、何でもねぇーよ。それよりあんたは何でこんな所に。まだ3年も授業中だろ。」

 剣がテスト返却しか無い日に廊下に立たされている自分を棚に上げて創士達に尋ねる。


「その言葉はそのままお前に返したいぐらいだがな。俺と真利谷は生徒会の用事で授業を抜けたんだ。それにわざわざテスト返却と解説を聞く必要はないしな。」


「…3年でも進路はまだだろ。あんたらはどうするんだ?。魔導師にはなるだろうから…そのまま魔導軍に入るのか?。それとも上に進むのか?。」


「俺と真利谷は既に推薦で決まっている。魔導学校に進むさ。俺の魔法は一個人よりも集団での運用が有用だからな。魔導大学校で指揮官としてのあり方も学ぶ。勿論国家魔導師を目指すのを辞めるわけじゃない.」


「…推薦って。魔導大学校には毎年50名しか入れないんだろ?。推薦なんかあるのか。」


「あぁ、何せここは星光学園だ。まぁこの推薦も毎年あるわけじゃない。厳しい条件がある。」


「まず七星又はそれに準ずる力を持つこと。それから学業で上位5%に入ること。この両立が成り立つ者にしか推薦は与えられない。更に特出すべき功績がある者。…これは加点材料になる。俺と真利谷の場合は生徒会所属であったということと国際親善会のメンバーだったことが評価された。」


「…?…あんた頭の中良かったのか?。」


「おいおい…」


「会長は3年生の中で次席となっています。」


「見かけによらないんだな。」


「お前、失礼な事を言っている自覚を持てよ?。^まぁ良い。そんな訳で俺と真利谷は進路が決まっているから別に抜けても構わんのだ。」


「…ふーん、…やっぱり大学校に行った方がいいと思うか?。」


「一概にそうとは言えないな。お前の最終目標が国家魔導師である以上結局必要なのは圧倒的な個の力だ。…それにお前には現場が似合う。まだ時間はある。じっくり考えろ。と言っても推薦はもう無理そうだがな。自力は中々の地獄と聞くぞ?。」


「…うっせーな。…殆どが自力で入るんだろうが。」


「そうだな。…だが50人のうち1人は早々に埋まるかもしれんぞ。お前らの学年で推薦を受けられる可能性が高い生徒が1人いるじゃないか。」


「矢沢澪ですね。彼女は学業成績学年一位。更に魔法実技でも既に七星に迫る実力を持っていますから。」


「…あ、…そうだった。」


「何が自分に必要か考えろよ。3年間は短いぞ。」


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