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草薙茜 2

「や、やっときた。」

 重達の前に1人の女の子が姿を現した。


「あ?あんたは…」


「確か鋼鉄腕の草薙さんでしたよね。」

 剣が名前を覚えていないようなので重が補足する。


「お、覚えてくれてたんだ(嬉しすぎる〜)…。じゃなくてその二つ名で呼ぶな。私は認めない。」

 草薙が顔を赤くしながら怒る。


「んで?何の用なんだよ。早くしないと遅刻しちまうだろ。」

 現在時刻8時20分。後5分で予鈴がなる。


「元々私は8時前にはここにきていた。君たちが来るのが遅すぎるんだ。」

 草薙はある用事を伝えるためここで待っていた。しかし待てども待てども2人がやって来ず自分より早くきたのではないかと焦っていたのだ。


「ごめんね草薙さん。剣のやつがまた寝坊してさ。二度寝しないように俺も一緒に残ったんだよ。」

 これ以上遅刻してしまうと剣は一般寮に戻されてしまうため重に起こすよう頼んだのであった。


(重君を巻き込んで遅刻しそうになるなんて。む〜、やっぱりここは)


「私の要件はただ一つ。火祭剣さん。あなたと戦いたいのです。この前はその話が途中で終わってしまっていましたからね。」

 以前は澪と二つ名について同盟を結んで話がうやむやになってしまっていた。なので改めて話をしにきたのであった。


「俺と?別にいいぜ。あんたとは一度やってみたかったんだ。いつにする?。」


「いいなー剣。俺も草薙さんと一緒にやりたいよ。」


「…っ(か、重君が…わ、私と一緒にやりたい。ん〜お、落ち着け私。)。それでは今日の放課後でどうでしょう?。」

 重の発言にいちいち反応しながら答える草薙。


「俺はそれで構わないぞ。」

 剣としては早くやりたかったので好都合である。


「面白そうな話をしてるじゃないか。」

 突如第三者が現れる。


「一年の中でも屈指の実力者同士の戦いか。面白そうだ。私も見させてもらおうかな。」


「あんたはこの前の…。」


「誰?剣この人誰?。」

 名前を思い出せない剣とそもそも知らない重。


「あなたは…東堂先輩ですね。どうしてここに?。」


「どうしてって言われてもね。ここは正門で私は風紀委員だよ。そして時刻は8時25分だ。」

 つまり正門を閉めるためにきたのだった。


「遅刻したくなかったら早く行った方がいいぞ。それと放課後は私も立ち会わせてもらうからな。」


「重走るぞ。せっかく早く間に合ったのに遅刻するのはもったいない。」

 遅刻という言葉に反応して剣が走り出す。


「待てよ剣。…それじゃあね、草薙さん。また放課後。」

 重がそう言い走り出す。


「今の言葉はまるで付き合ってるカップルみたいだったな。」

 東堂がそう言うと、


『ボンッ!』


「ん?おい!どうしたしっかりしろ。」

 草薙が顔を赤くし倒れたのだった。


次回更新は11月15日になります。

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