寝坊の代償
次回更新はお休みします。
次の更新は7月13日になります。
テスト期間が2日終了した。この後土日を挟み残りの2日間テストが行われる。
「ふあーあ、寝坊しちゃったな。テスト勉強で夜遅くまで起きてるから間に休日が挟まるとどうしても気が抜けちゃうよね。」
珍しく朝9時を過ぎてから起きてきた重。重もテストの為に連日遅くまで起きておりその反動が出た形になる。
「でも、今日の朝ごはん担当は大樹さんだし、たまにはゆっくり寝るのも悪くないよなぁ。」
重は基本的に朝起きる時間を固定している。だが偶にの朝寝坊の魅力は計り知れない。重はその身に贅沢をしっかりと感じつつ、そしてリビングに続くドアを開ける。
「…よし、よし、よし、よし、矢沢あと少しだ。いける、いけるぞ!。まだまだやれる!。」
「はい、…うぐぅ………あと少し…」
「澪ちゃん、いいよ、いい感じだ。限界は超えられるものなんだ。」
『…パタン』
(…俺はまだ寝ぼけてるのかな。じゃないと今見た光景の説明が出来ない。上裸で汗だくの剣と褌の大樹さん、その二人に激励される澪ちゃんなんて光景見るはずないもんな。朝の9時から。)
重は目の前で繰り広げられた最高に暑苦しい光景を信じられず一度ドアを閉じる。だが何度思い返しても自分の中で消化させることが出来ない。
「…お、おはようございまーす。」
意を決してもう一度ドアを開ける。
「…良くやった、矢沢。ナイスファイトだ。久し振りに体を動かすと気持ち良いな。」
「は、はい…。ふぅ…ふぅ、…体を動かすと体のスイッチも入ります。これからの勉強の為にもなりますよ。」
「はぁはぁ、…いやぁ、良い汗をかいた。まさしく青春の輝き。気持ちのいいものだね。」
そこにはやり切ったような表情の剣、澪、若草。
「えーと、何してるの?。」
当然の重の疑問。先ずは1番暑苦しい剣に尋ねる。
「ん?あぁ、重。今日は起きてくるの遅かったな。何って…筋トレに決まってるだろ。ずっと机に向かっていたからな。」
剣は上半身に滴る汗を拭いながら気持ちよさそうに答える。
「…ふーん、…何で澪ちゃんも?。」
剣の答えは想定内だったが重は澪にも尋ねる。
「…私も体が…鈍っていたのでご一緒したんです。やっぱり1週間動いていないとキツイです。…あの、先にシャワーいただきます。」
重に尋ねられた澪は額の汗を気にしながら答える。そしてそそくさとシャワーへと向かってしまう。
「…大樹さんは…別にいいです。」
残るは若草だけだが多分若草は2人を見て参加したくなったんだろうなと思った重は別にいいと伝える。
「いやぁ、2人が体を動かしているのを見て僕も抑えが効かなくてね。僕も汗を流したくなったんだよ。」
だがそんな言葉を無視して若草は清々しい笑顔と褌姿で答える。無駄に引き締まった体が眩しい。
「…たまに寝坊するとこれだもんな。だから早起きはやめられないよ。」
重はため息をつきながら今日の勉強スケジュールを組み立てるのだった。