等しく訪れる試練 重、若草
幕間的な感じでかなり短いです。
「…なんか凄い事になってますね。」
「そうだね、…剣君も今回はいつもより頑張らないといけないからね。澪ちゃんのあの管理体制には恐れ入るよ。」
全星寮に帰寮した重と若草は剣と澪からこれからの1週間について説明を受けた。剣も素直に2人に頭を下げそのまま勉強に突入した。その時見たスケジュール表の濃さに驚きを隠せない。1時間ごとの勉強科目が明記されておりテスト当日までの完璧なスケジューリングがなされていた。
「でも澪ちゃんも剣のことわかってますよね。あいつ短期集中は得意だから各教科を大体1時間で区切ってますよ。出来るだけ飽きないようにスケジュール組んでる。」
「それに中日を設けているのもいいよね。2日、休み、1日、休み、2日だからちゃんとリフレッシュも出来る。それに多分この休みも剣君は自分で勉強すると思うよ。」
「そうですよね、自分に勉強を教えてくれている澪ちゃんがそのタイミングで勉強するからあいつも少しは勉強すると思います。」
「中々策士だよね。…さて、今日の晩ご飯は僕が用意することにしよう。重君は勉強の具合はどうかな?。」
「俺もそこまで焦る必要はないですね。晩ご飯の用意くらいなら全然大丈夫ですよ。」
重は日頃から良く授業を聞いて予習復習をしているのでもし勉強をしなくてもテストで赤点になることはない。一方の若草は授業の出席率すら低いがノートを一読することでそのページごと記憶することが出来る。なので借りる相手さえ間違えなければ赤点になることはない。剣が聞けば憤慨すること間違いなしだがこれも若草の生まれ持ってのものなので仕方ない。
「それじゃあ交互に用意をするとしよう。…お、どうやら澪ちゃんは既に用意してくれているようだね。うむ、この下準備だと…今日はカツカレーだね。」
そのまま晩ご飯の用意に入る若草。重はそれを見て自分の部屋に戻る。剣の部屋の前を通った時剣の、うぅ、と言った声が聞こえた気がしたが気のせいと思う事にした。
夕食の時間になり部屋からリビングに向かう重。同じタイミングで剣と澪が部屋から出てきたのだが剣の顔は既にげっそりしていた。約3時間の出来事である。
「…剣さん、今からの1時間で夕食とお風呂を済ませてくださいね。長風呂は眠くなってしまうのでサッとシャワーを浴びるのがいいですよ。安心して下さい。途中で糖分の補給は行いますから。」
「…おう、…っうし!。まだまだだ。俺が矢沢に迷惑かけているのはわかってるからな!。」
「そうだぞ、剣。今回ちゃんと点数採れば3学期のテストでは少し余裕出来るんだし、精一杯頑張れよ。」
「わかってる。俺はこの1週間に全力を費やすぜ。」




