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その成果は

「さぁ食べよう。今日の出汁はよく取れてると思うよ。」

 若草が鍋の中を見ながら言う。食材の入れるタイミングやアク取りまで1人でこなしその様子はまるで天下の鍋奉行のようであった。


「「「いただきます。」」」

 重達が手を合わせて言う。


「「「美味しい」」です。」


「それはよかった。出汁をとるのに一時間かかってるからね。」

 カツオとコンブ、イリコから出汁をとった若草特製スープである。


「ところでみんな今日はどうだったかな?。」

 3人に今日の特別特訓の成果を尋ねる。


「俺はあれですね。若草先輩と別れた後も続けたんですけど難しくて少しだけ指向性を持たせられただけでした。」

 若草と別れた後重は魔法のイメージを崩すことに相変わらず苦戦していた。そもそも魔法の射出口を絞ると言うのは高等技術なのでこれは仕方のないことである。


「魔法のコントロールは努力さえすれば誰にでも使えるようになるはずなんだよ。でもそこまで至っている人は案外少ない。それは成果が努力の量と比例していないと思われているからなんだよ。それだったら他の魔法の練習をした方がいいと思ってしまうんだろうね。でも君たちは…わかってるだろう?。この誰でもできる技術の強さが。」

 若草が改めて基本の重要性を話す。七星が話す言葉の重みを3人は感じていた。


「…俺は創志先輩に魔法を見せてもらった。あの人の魔法は速すぎる。それに…っなんでもない。」

 創志の魔法を見た時剣は速すぎると思うと同時に見惚れていた。その魔法の正確さと絢爛さに。それ程までに完成されたものだった。確かにあれは武器錬成型の一つの完成形といえた。


「その様子だと何か感じてくれたみたいだね。創志先輩にお願いしてよかったよ。」

 その代償として生徒会副会長に料理を教えることになっている若草。真利谷は料理が下手なのである。


「わ、私は真利谷先輩に完全変化を見せてもらいました。それだけでなく自己変化型の本当の戦い方も。」

 自己変化型の最終形態である完全変化は属性ダメージ以外の無効化だけが取り柄ではない。そのことを知ったのであった。


「そうかい、それは良かった。やっぱり自己変化型のことは自己変化型じゃないとわからないからね。」

 その代償として…以下略。


「ふぅ、美味しかった。」

 話している間にも若草の手によってそれぞれの皿に適宜煮えた具材が投入されていたので1番美味しい状態で食べることができた重達であった。


次回は11月12日になります。

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