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東堂が開く道

 宗谷との戦いを終えた東堂はその足で創士の元へやってきていた。創士がいるのは第二輝邸。そこには生徒会のメンバーが揃っていた。


「どうした東堂。…あぁ、そういえば今日はお前と若草大樹だけが残っていた戦いがあったな。その顔は…勝ったのか。真利谷が引き分けたと聞いていたから心配していたのだぞ。」


「…会長、その件は余り言わないでください。」


「そうだね、かなりの研究家かつ武闘家だったから氷雨が苦戦したのも理解出来る。だが…新しい扉を開いた私は彼の攻撃を受け切った。とても…気持ち良かったです。」

 恍惚とした表情でそう言う東堂。その惚れた表情はとても世に出せるものではなかった。


「彼の合気道は貴女とは相性が良くないと思ったのですが…」


「うん、あの技術は凄いね。こっちに攻撃は流されて確実に攻撃を当ててくるし。肩も外されちゃって容赦なくてびっくりしちゃったよ。」


「…ほぅ、サブミッションか。今の時代にそれは中々お目にかかる事は出来ないぞ。話を聞いていると是非ともやり合ってみたくなる。」


「あー、貫介とは話が合うんじゃないかな。種類は違うけど武の道を選んだ者同士だし。」


「ねぇねぇ、東堂さん。新しい扉って何!。何があったの!。」

 それまでこの場の皆が気になったが触れないでいた内容に花凛が踏み込む。その瞬間真利谷と創士は額を押さえ、風街は身を乗り出し、並木はほのかに頬を赤く染める。


「んー、花凛に教えて良いものか。…悩むなぁ、…私は今まで敵の攻撃を快感と思っていたんだけど、今回の戦いでは自分で…うわっ⁉︎…貫介何をする!。」


「それ以外はダメだ!。」

 悩むそぶりを見せたもののすぐに内容を話し始める東堂。その内容が核心に迫った時創士が東堂の口を覆い待ったをかける。既に花凛以外は内容について想像がついており純粋な花凛に変な癖を知られない為に行動したのだ。


「…全く、お前は花凛の父親のつもりか?。」


「お前が不穏な事を口走ろうとするからだ。…それで今日ここに来た理由はまだ聞いてないぞ。」


「あぁ、…貫介、…私と戦ってほしい。」


「…本気か?お前からそんな言葉が出るとは。一度戦って以来別にいいと言っていたのに。」


「君は強くなった。その斬れ味は私では受け切れないと分かっていた。だが…今の私なら存分に味わえると思うんだ。君を痛みを私に教えて欲しい。」


「…お前は…全く、…。…だが今の言葉は俺に勝てると言っているのと同義だぞ?。」


「…どうだろうね、…興味はあるかい?。」


「勿論ここまで言われて興味が湧かないわけない。…その提案受けさせてもらおう。…それにしてもお前をそこまで変えた男か。…気になるな。」


「それはダメだよ貫介。彼は風紀委員がもらうことに決めているんだ。目的の為に牙を隠し続ける忍耐力、正確な分析、そして対個人の強さ。いい人材だよ。」


「…そうか、…吟、並木、聞いたな。俺は東堂の顔をたてて勧誘には動かない。だが…わかるな。」


「了解や。名前はえーと宗谷やったな。明日にでも行ってきますわ。」


「あんたが行くと生徒会が勘違いされるかもしれない。私も行く。」


「ちょ、ちょっと待て。彼は風紀委員がもらうと…」


「まだ決まったわけじゃないんですやろ?。それなら機会は平等にあるはず。」


「…くっ、…必ず風紀委員に入れてみせる。」


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