第四輝
「はぁはぁ、クソまたやっちまった。」
剣は今学校への道をもうスピードで走っている。いつものように寝坊したのだが今日はお腹の調子が悪くいつもよりさらに寮を出るのが遅れてしまった。
「間に合うのか?。さすがに2日続けて遅刻はやばいだろ。」
今まではかろうじて2日連続での遅刻は防いできた。今回が初のピンチである。
「あと…少し!。」
正門が見える。この学校では門が時間になると自動で閉まるようになっておりしまってから入るには職員室にインターホンで連絡しなければならない。
「うおおおおおお…!。…間に合った。」
門が閉まる前に中に滑り込む剣。そこには1人の女がいた。
「お前か、遅刻の常習犯というのは。絶対に遅刻をするなとは言わんがせっかくの朝の時間をもう少し有意義に使ったたらどうだ?。」
肩に揃えた黒髪と切れ長の目をした女だった。
「はぁ、はぁ。うっす。」
剣としては相手の言っていることが正論なので何も言い返すことができない。
「…あんたはこんなところにいていいのかよ。」
今の時間は遅刻ギリギリ。剣と同じくこの場所にいる女は遅刻なのではないかと疑問に思ったのだ。
「私の心配をしてくれてるのかい?。それなら大丈夫だよ。風紀委員長特権ってやつさ。…ただ君は急いだ方がいいな。あと3分だ。」
女が告げる。始業は閉門から5分後。ここで2分も使ってしまっていた。
「!クソッ。それじゃあ俺は行きます。お仕事お疲れ様です。」
そう言い剣は走り出したのだった。
その後始業に遅れ剣が罰せられるのは当然の話である。
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「剣、また間に合わなかったのか。」
休み時間になり重が剣に話しかける。
「今日は門が閉まるまでに入れてたんだよ。だけど少し話をしてたら始業はには間に合わなかった。」
今朝のことを振り返る剣。
「お前と一緒の時間にいるってことはその人も遅刻ってことだな。」
「いや、その人は風紀委員長だから大丈夫って言ってた。羨ましいぜ。」
実際には風紀委員長は剣が来るずっと前から学校に来ているので剣が羨ましがることは何もない。
「え⁉︎風紀委員長さんとあったんですか。その人は…第四輝の東堂昴流さんですよ。」
2人の話を聞いていた澪が会話に入る。
「へぇ〜あの人が第四輝なのか。」
もう少し関わりを持っておけばよかったと後悔する剣。そうすれば手合わせする機会もあったかもしれない。
「また遅刻したら会えるんじゃないか?」
重が剣に提案する。が、
「…今度遅刻したらその日の戦闘訓練中にずっと正座させるって言われてるからな。それは最終手段だな。」
剣がそう言うと、
(いちおう選択肢の中に残ってるだ…)
澪が苦笑いしながらそう考えるのだった。
次回更新は11月6日になります。




