全星寮の朝
「ふんふん〜ふんふふん〜〜。」
ここは全星寮。若草が全員分の朝食を用意している。
「今日の朝は洋食にしようかなー。」
この寮ではご飯は若草と澪が交代で用意している。重と剣はあまり料理が得意ではないのだ。
「あ!。大樹先輩おはようございます。私も手伝いますね。」
澪が起きてきて手伝いを申し出る。いつもの光景である。
「おはよう。そうだねー、野菜を切ってあとコーヒーを淹れてくれるかい?。今日は洋食だよ。」
若草がフライパンに油をひき温めながら指示を出す。
『ジュー…パチパチ…ジュワー…』
フライパンの上にベーコンと卵を落とす。芳ばしい香りが寮の中に広がる。とそこへ、
「う〜〜、ふぁ〜。おはようごさいましゅ。」
重が起きてきた。まだ寝ぼけているようだ。これもいつもの光景である。
「ふふ、おはよう、もう直ぐできるよ。」
若草が微笑みながら挨拶を返す。
「おはようございます重さん。剣さんは今日も…。」
澪が重に挨拶を返しながら剣のことを尋ねる。
「ああ、多分まだ寝てるんじゃないかな?。」
剣は相変わらず朝に弱い。目覚ましをかけてはいるようだが全く効果はない。
「はい、出来たよ。冷めないうちに食べちゃおう。剣君の分はおにぎりを作っておいたよ。」
若草が机の上に皿を置く。皿の上にはベーコン、スクランブルエッグ、サラダ、トーストが並んでいる。剣の為のおにぎりは中にベーコンエッグを挟んでいる特別製である。
「美味そう〜。いっただっきまーす。」
重が勢い良く食べ始める。
「いただきます。…うん、美味しいです。卵がとろけます。」
澪が礼儀正しく食べる。
「今日もご飯が美味しいね。こんな日はいい日に違いない。」
若草が美味しそうに食べる。この台詞もいつも言っている。
「ふぅ〜美味しかった。皿は置いといていてください。洗っとくんで。」
重は料理はしないがその代わりに後片付けなどを担当している。
「さて、そろそろ行こうか。…剣君を起こそう。『剣君、そろそろ起きないとまた反省文になっちゃうよ。』」
寮を出る前になって若草が剣を起こす。
『バタバタッ⁉︎』
………。
「今日もやっちまったー!。」
剣が飛び出してくる。これもいつもの光景である。
次回更新は11月3日です。
よろしくお願いします。
 




