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宗谷武命という男

「…はぁはぁ…貴方、これ程の力を持ちながら何故ここまで、二つ名を持っていないのです。」


「そんな物必要無いからですよ。…目立てばそれだけ対策されますからね。実際僕はあなたの対策を出来てあなたは僕の対策を出来なかった。そのお陰でこの均衡を生み出しているんですよ。情報は力だ。それを知ってる者と知らない者には大きな隔たりで出来るんです。」


「僕は七星の座が欲しいんです。それがあれば卒業後が楽になりますからね。だから3年の夏まで大人しくしているつもりでしたが…流石にこの機会は見逃せません。一度勝てばその座が手に入るのですから。なので出し惜しみはしませんよ。」


「まだ勝負はついていませんよ!。『狂飆の雹狼』。」


「うわっ、それは知らないなぁ。…血を媒介にしてる感じですかね。血液は最もその魔導師の力を反映する物質でしたね。一気に決めにきた感じですよねぇ、困るなぁ、予定外の行動をされると…。…けひっ…おっと、すいません。衝動を抑えられなくて。」


「…眼鏡、外して大丈夫なんですか?。」


「えぇ、伊達メガネですから。少しでもこの目つきを隠したくて。目は口程にものを言うって言うじゃないですか。僕は目で語りすぎるので。」











「…あー、これは僕は動けないですね。残念あと10センチなのになぁ。…あぁ、安心してください、相打ち狙いとかしませんから。気絶するのとか面倒ですし。だから、ね、引き分けにしましょ。」


「…私は貴方が怖い。この戦いで1度もその心の中を知れませんでした。何を考えているのか全く分からない。」


「いやいや、元々他人には心の中は見れませんって。面白いことを言うなぁ。…うわっ、やっぱり僕の方が少ないかぁー。僕の負けですね。いやー、敵わないなぁ。努力が全部無駄になっちゃいましたよ。」


「…何故貴方は戦いに真摯に臨まないのです。貴方からはやる気を全く感じません。」


「真摯に臨んだら強くなるんすか?。変わらないですよね。そんな強さがコロコロ変わるのって…結局弱くないですか?。…やる気に左右されるのも同じでしょ。自分のコントロールが出来てないだけ。調子が良いから勝ったとか、負けたのは調子が悪かったからだとか、ダサいですよ。」


「人は思いを力に変えることが出来ます。思いで成長出来るんです。」


「そんな非科学的なことあります?。応援があったから頑張れるとかないですから。それならもっと早く絞り出せよ、って話しですし。」


「…じゃあ僕は失礼します。次の準備にかからないといけないので。その前に被らないか確認しとかないとなぁ。あの3人はこの時間ならあの闘技場でしょ。」


「そうだ、可愛い後輩からのお願いです。僕の魔法のことは星狩りの間だけでいいので他言無用でお願いします。まぁ、あくまでお願いなので。僕と戦う人が知っててもあぁ、副会長は生徒のお願いを無下にする人なんだなとら思うだけですから。」





「…なんなの一体、…訳がわからない。掌の上で転がされた。若草君とも違う。…異質さが尖り過ぎてる。」

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