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一輝と重 

「…お?来たか1年。俺を待たせるとは良い度胸じゃねーか。まぁ、そもそも俺を指名してる時点で大分上等くれてんだけどな!。2回しかない貴重なチャンス。考えることは同じ筈だ。…自分が勝てる可能性がある奴に挑む。つまりお前は俺に勝てると思ってんだろ?。」

無人の闘技場。その壁にもたれるようにして人を待っていた霧島が来客に吠える。


「…勝てると思ってないなら…挑みませんよ。今日俺は霧島さんの星を本気で狩りに来てます。なんの因果かみんな今日挑んでるんです。…あの2人ならもしかするかもしれない。なら俺が遅れるわけにはいかないんです。」

やってきたのは重。霧島への挑戦を希望したのは2人。その中で重が1番に挑む権利を得た。重は今日の戦いに並々ならぬ覚悟を持って挑んでいる。霧島の強さは嫌と言うほど知っている。それでもなお勝利へと手を伸ばす。


「そうか、ならもう言葉は必要ねーな。魔法で語れよ。って言っても幼児と大人は会話が出来ないように、お前と俺で通じないかもしれないがな。」

霧島が重に手招きをする。早く舞台に上がれ。言葉ではなく拳で語り合うぞ、そう言っていた。それに応じて重が舞台に上がる。検分の為の教師が2人の顔を見て用意は良いかと確かめる。それにうなずく2人。


「…ではこれより第一輝霧島飛春対八神重の決闘を行います。」


「…さて、どうした?来ないのか?。なら…L 5『求道蛇尾』。」

様子を見るためか動かない重。それを見た霧島が右足を膝の高さまで上げ魔法を唱える。そして足を踏み締める。地面が割れそこから土の蛇が這い出てその鎌首をもたげ重に襲いかかる。


「…L 2『火炎』×1000!。」

重の背後に現れる千の炎。蛇を飲み込む土へと還す。


「そういえばお前にはそれがあったか。接近戦ばかりが目についていたから忘れていたぞ。」


「これのことですか!。L 2『火炎』×1000。…『火拳』双腕‼︎。」

両腕に火拳を灯した重が霧島に飛びかかる。


「そうだ、それだよ。俺が興味を惹かれたのは!。L 4『斬大地』‼︎L 4『破口沼』。」


「…そんな魔法で!…っ、足が……はっ!。」


「まだまだ警戒が甘いぞ!。食らえL 5『火嶺撃災波』‼︎。」

飛び出してくる斬大地を腕の振りで破壊して霧島に詰め寄る重。しかし足元の沼に一瞬気を取られ霧島の接近を許す。重が顔を上げた時目の前では両腕を重に向け凶悪な笑みを浮かべる霧島が魔法を唱え終わっていた。放たれるは風属性を纏った火属性の熱線。


「…これで終わったなら…」


「そんなわけないだろ!。…『双砲火』‼︎。」

熱線の中で重は両腕を砲身として双砲火を放つ。均衡する魔法。そして遂にはお互い打ち消し合い消滅する。


「ほぅ、俺の魔法を押し戻すか。中々悪くない。」


「…何故銃を使わないんですか。」


「ん?あぁ、お前は俺が銃しか使えないと思っていたのか?。残念だがそれは違う。あくまでこいつは手段だ。勝つための道具なんだよ。なくてもいいなら別に使う必要はない。」

重の言葉を聞いた霧島が腰のホルスターから銃を引き抜き指で回しながら言う。あくまで手段。勝つ為に必要ないなら使う気はない。


「…俺には使う必要はないと?。」


「…いや、そんなことはない。ちゃんと使うさ。…こんな風にな!。」

霧島が突如引き金を引く。飛び出す弾丸は正確に重の眉間を狙っていた。


「…っ⁉︎。…がっ⁉︎、……なんて…威力だ。」

咄嗟に腕でガードする重。しかし銃弾の威力で体ごと吹き飛ばされ地面を転がる。


「問題点はお前にあるぜ?八神重!。果たして俺は銃を二丁抜いてこの戦いを楽しめるのか?。」

地面に転がる重に銃口を突きつけながら霧島が言い放った。

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