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VS若草2

(久しぶりに見たが相変わらず見事なもんだな。)

 若草と一年生の試合を見ながら創志は考えていた。

(あの精密な魔法のコントロール。1年生には何が起こったかわからなかっただろう。あの『水獄』と『水鎖』のコンボを破ったのは『大豪炎』。本来間違いなく破ることはできない。しかし若草大樹…奴は魔法の射出口を指先だけにすることによって威力を集約させ突破した。)

 以前若草の本気を見たことがあったため創志は理解することができた。


(とはいえあの1年生3人は強いな。とても1年生とは思えん。…が、奴にはアレがある。どうなることか。)


「面白くなってきた。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「さぁ、きなよ。来ないならこちらからいくよ。L4『斬大地』。」

 若草が足で地面を踏みしめる。すると地面から土の槍が次々現れ重達に迫る。


「くっ、2人とも伏せて。L2『火炎』×100。」

 重が魔法で迎撃する。


「今…魔法を唱えてました。」


「ということは無詠唱使いじゃないってことか?…それとも遠距離だからか?。」

 先ほどのやり取りから澪と剣が考察する。


「…おい剣こっちきてくれ。澪ちゃんはこっちに。」

 重が指示を出す。


(おや?何か考えてるね。…何をしてくれるかな?。)


「それじゃあいきますか!。L2『蛍火』×100、L2『火炎』×100、…」

 重が魔法を連打する。


「L4『土門』。…これじゃあ足りないかな?L4『火炎壁』。」

 若草が防壁を張る。


「まだまだー。」

 重が魔法を連打し続ける。


「相変わらずすごい連打だ。L4『斬大地』。(何が狙いかな)」


「今だ!やってくれ。」

 重の声が響く。


「はい!L4『水陣塔』。」

 澪が唱えると若草の四方に水の壁が発生する。


「L4『水成槍』」

 水の壁から無数の槍が発生し若草を襲う。


「!これはさすがに…。」


「…危ない危ない。」

 そこには土の壁で覆われ無傷の若草が。だが


「今だ剣。」


「分かってる。L4『黒曜の和刀』。この位置からなら…。」

 煙から気配を消した剣が若草の背後から斬りかかる。


「…誇って良いよ。見事なコンビネーションだ。でもね…」

 突如若草の周りに炎の陣が発生する。更にその右手には燃え盛る刀が握られていた。


「…まだ負けられない。先輩だからね。」

 そう言い剣の首元に刃をそえるのだった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「どうやら僕の魔法のことは分かったようだね。」

 若草が重に尋ねる。あの一連のやりとりはそれを想定していたと考えたのだ。


「はい、若草先輩の魔法は…遅延魔法ですよね。初めから詠唱しておいた魔法を体に留めて置く高等技術です。」

 重が自分たちのの推理を披露する。


「あんたはその体に魔法を仕込むことによって一瞬で刀を錬成したり防壁を張ったりしたんだ。」

 剣が言葉を引き継ぐ。


「正解だよ。僕はこの遅延魔法を使っている。使い勝手がいいからね。」


「…待ってください。遅延魔法は普通、上位の魔導士が3つを留めるのが限界と聞きます。ですが若草さんは見た限りではもっと多く使っていたはずです。…一体いくつまで…。」

 澪が疑問を口にする。


「さて何個かな?。もうないかも知れないしまだあるかもね。ただ君達は僕から遅延魔法を引き出した。久しぶりに楽しかったよ。だから…今日の晩御飯はご馳走だ。」

 若草が微笑みながら言う。その言葉に


(目指すべきところは決まった。遅延魔法と魔力のコントロール。)


(何者にも防がれない一撃を)


(私の魔法は発動に時間がかかりすぎます。もっと効率を上げないと。)

 3人はそれぞれの反省を胸に今夜のご馳走を想像するのだった。






次回更新は10月25日です。

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