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VS若草

「おや?少し待たせてしまったようだね。」

 若草が闘技場に現れてにこやかに言う。


「そんなことないっすよ。それに先輩を待つのは後輩の役目ですからね。」

 剣が返す。さらに、


「まぁ、だからと言って先輩を勝たせなきゃいけないってルールもないんで…こっちは3人っすけどガチで行かせてもらいます。」


「若草先輩、今日は僕ら先輩を倒すつもりなんで先輩も本気できてください。」


「私も2人と並べる資格があることをこの訓練で証明します。」


 重、剣、澪の3人が若草に自分たちが本気で勝ちにきている事、なので先輩も本気でくるように言う。


「良いね。この感じ。これが僕の理想の青春だよ。だけど…本気は君たち次第だ。僕の本気を引き出してご覧よ。」

 3人の戦線布告を受けてもあくまで若草はその微笑みを崩さない。とそこへ


「おぉ間に合った。まだ始まってないな。」

 創志が現れた。


「創志先輩…貴方は確か生徒会の仕事があったはずでは?。」

 先ほど副会長とのそのやりとりを目撃している若草が苦笑まじりに質問する。


「……。さてさてこっちが若草大樹のところの一年生か。…君たちが真の強者であることを望むよ。若草大樹の本気を引き出してくれ。」

 どうやら生徒会の仕事については黙秘するつもりのようだ。


「ねぇ、あの人って創志貫介先輩だよね。なんでこんなところに?。」

 重達は突然の大物の登場に動揺を隠せない。


「俺のことは気にしなくて良い。存分にやりあってくれたまえ。」

 そう言い創志は場外に座る。


「…それじゃあ始めようか。こういう時は何て言うのかな?。…かかってきなよ一年生?。」

 若草が開始を宣言する。


「いきますよ。L2『蛍火』×100。」


「L4『華炎陣』。」

 重達は火属性の魔法2つで攻めたてる。その間に


「体水化。L3『静水』L3『水柱』…。」

 澪が水獄の発動を準備する。火が消えた瞬間


「…いきます。L4『水獄』さらにL4『水鎖』。」

 水の塊ができその周りを水の鎖が覆う。


「まだ…だろうな。L4『風切の大剣』。」

 剣は武器を錬成し備える。重や澪も魔法の発動を準備している。


『ピュン』

 水獄に穴が開く。それはごく小さな穴だった。しかしそれは円を描くように水獄を貫き続ける。そして…


「…水獄が崩れます。」

 剣ですら自爆覚悟で脱出した水獄から若草は無傷で生還した。


「まだだ…ぅおりゃー。」

 剣が若草に斬りかかる。若草は今素手。絶好の機会だと思っていた。しかし…


「何で…確かに素手だったはずだ。魔法も唱えていない。なのに何で。」

 若草の左手には炎で出来た盾が握られていた。


「何でだろうね。考えごらん。…ただしもうちょっと遠くでね。」


「なっ!…グッッッ…。」

 いつの間にか若草の右手に握られていたガントレットで殴られ剣は重達のいるところに吹き飛ばされる。


「大丈夫か、剣。…いったいいつの間に。」

 重が駆け寄る。剣が吹き飛ばされる時確かに直前まで若草の右手には何もなかった。


「…魔法の詠唱をしていない?。…無詠唱?。それにしても速すぎます。」

 澪が先ほどの事象について考察する。無詠唱とはその名の通り魔法名の詠唱をカットすることで不可能ではない。


「おや?このままじゃあ今日の晩御飯は無しだね。」

 若草は無傷で3人を見ていた。

次回更新は10月22日です。

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