表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
193/300

縛られない戦い方

次回更新はお休みさせていただきます。

次の更新は6月27日になります。

「…いくぞ。…L4『斬大地』L4『轟の鉄槌』。」

 剣が花凛が得意とする大槌を錬成し攻勢にでる。


「一度意表をついたくらいで調子に乗るなよ。『

 炎凪大太刀』。」

 リリアンもその手に白刃の大太刀を錬成し迎え討つ。


「うおりゃぁ‼︎。」

 剣が大振りに大槌を振るう。その動きは天才的な身体能力を持つリリアンの前では大きな隙である。


「…体がガラ空きだ。一刀両断にしてやる。」

 突然大きく空いた腹部に横薙ぎに刃を振るう。


「…かかったな。爆発しろ!。」

 ボゥッ!という破裂音と同時に剣が持つ大槌が加速する。それは僅かな差ながらリリアンの刃が剣に届くより早くリリアンに振り下ろされる。


「…ぐ⁉︎…てめぇ。やってくれる…」

 自分の攻撃が間に合わないことを即座に判断したリリアン。大太刀から手を離しフリーになった右手の軌道を横から縦に変えアッパー放つ。それでも大槌の元々の質量に加え謎の爆発による瞬間的な加速を加味したその威力を殺しきることは出来ず後ろに弾かれてしまう。


「まだだ!。」

 振り下ろした大槌の地面に接地している側が爆発し持ち上がる。それは大型武器特有の大振りの後のクールタイムを無くしていた。持ち上がった大槌を肩に担ぎ直し剣が更に前に歩を進める。


「…『振子侵撃』。」

 剣は横薙ぎに大槌を振るう。遠心力を帯びた槌は後ずさるリリアンの横腹を穿とうとする。


「舐めるな。『天開』。…ぐ⁉︎…」

 リリアンが寸頸で剣の攻撃を弾き返そうと構えるが当たる寸前リリアンに向いている面が火を噴く。急激に反対方向の力が加わった大槌は剣の体を軸にするように反回転する。反回転する際の炎に目をつぶったリリアンは自身に迫る大槌に気づかない。


「…きた!。追加だ!。L4『増重岩』。L4『纏風』。」

 剣の握る大槌が大きさ、そして重さを増す。更に風の刃も纏い一撃必殺の業物になる。それは無防備なリリアンの左脇腹を捉えていた。


「…調子に…乗り過ぎだぞ。『天破』。」

 静かに呟いたリリアン。迫る槌に目線を向けることなく左手を差し出す。そして左手と大槌が接触する。


『キィーーーーーーーーーンッ……』

 リリアンは大槌を片手で受け止めていた。その手には苑浄蔵の時と同じ光が灯っていた。


「…俺の身体能力と魔力による活性化は…誰にも止められん。」


「分かってたさ。…お前がバケモノだってことは。だが…それは諦める理由にならない!。相手が化け物?そんなの…上等だ!。『振子乱火』。」

 大槌から火花が散り斜めに袈裟斬りになるように叩きつけられる。それもリリアンによって防がれるが即座に発火、反転し別角度から襲いかかる。


『…ボッ!…ガッ!、ボッ!キーン、ボッ!ガツ!……』

 縦横無尽の殴打とそれを全て受け止めるリリアン。度重なる火の粉と重撃を受けてもなおリリアンは退かない。


「…だんだん遅くなってきてるぞ。軸になるお前に限界が近づいているからだろ。もっと俺を楽しませろ!。」

 反転する大槌が自身から最も離れた瞬間リリアンは一足飛びに前に出る。そして大槌の肢の部分を肘でガードする。突如新たな支点ができた大槌はコントールを失い剣の手から離れる。


「…くっ……って言うと思ったか?。俺はもう縛られない。放出でも何でも使う!。もう準備は出来てる。L 5『風神の烈風』!。」

 眼前に迫ったリリアンに剣が魔法を放つ。吹き荒れる風にリリアンの体は宙に浮く。


「いくらお前でも宙に浮けば何も出来ないはず。『解刀』。」


「…それは1度止めただろぉ‼︎。『炎凪大太刀』‼︎。」


『…ガガガガガッ…』

 お互いの刃が競り合う。空中で力を込めれないリリアンと地面を蹴り飛び上がってきた剣。他に影響する要素がない中軍配が上がったのは…


「…うおぉりゃぁぁぁぁぁあ‼︎。」

 剣だった。リリアンの大太刀ごとその体を押し込む。


「…ぐっ…よくぞ俺のこの体を無効化したな!。だが…ここから…」

 剣に吹き飛ばされたリリアン。風神の烈風の勢いにも巻き込まれ体勢を大きく崩す。


「あんた相手にそれだけで済ませる訳ないだろ!。…いけ、L 5『星華火』。」

 更に剣は右手を掲げ星華火を唱える。L 5の魔法である星華火は込められた魔力により分裂を繰り返し敵を襲う。


「貴様…2属性L 5だと…!。がっ……!。この…俺は『神速火滅』のリリアンクラウドだぞ‼︎。」

 リリアンが大太刀を体の周りで振りかぶり星華火を打ち消していく。しかし星華火の増殖に加え、元々の体勢の悪さが影響して徐々に押され始める。


「最後だ…。L 5『処活宮』‼︎。」

 追撃を緩めない剣。土属性のL 5を唱える。リリアンの側面の地面から二枚の大壁がせり上がる。その大壁はリリアンに向かって迫る。


「…これは!。3属性め…ぐっぅ…ぅ…」

 リリアンは即座に判断する。星華火によるダメージを受けてでも完成は回避するべきだと。大太刀を手放し両手を突っ張り大壁の接近を阻もうとする。リリアンの驚異的な腕力により壁の進撃は止まったかに思えた。


「…1の楔。」

 土の壁から鎖が這い出てリリアンの体に巻きつく。これによりリリアンの体は固定される。


「2の楔。」

 土の壁がリリアンの手が触れているところから形を変え球になる。二本の柱に支えられた形となる。


「3の楔。」

 リリアンを閉じ込めた球。その球の外側に幾重にも張り巡らされる四方形。


「…これで終わりだ!。」

 封殺されたリリアン。その物体に向け剣が歩みを進める。その手には紋様が刻まれた大きな大剣が握られていた。その剣を突き刺すことにより中の敵に一切の抵抗を許さず討つ。これが封殺型L 5処活宮である。


『……ドゴッ………ドゴ……」

 中からは音が響く。リリアンが自由になる両足で蹴り破ろうとしているのだろう。しかし処活宮は微動だにしない。


「…俺の名は火祭剣。一振りの剣としてお前を討つ!。」

 そして大剣が刺し入れられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ