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ユーロの新世代

(…この2人は放っておいていいのか?。いやでも…この場面でなにも出来ない魔導師を2人も送り込んでくる理由はない。それに双子…何かある…。それを見極めるのが優先だ。」


「…『火剣』双剣!。」

 重はヨンナ、ハンナに向け駆けていく。


「は⁉︎あんた馬鹿⁉︎こんな美少女から狙うなんて頭おかしいんじゃない!」


「…ルドガー!助けてー!。」


「重、それは紳士的じゃないよ。君の相手は俺がする!。L4『水竜の戟槍』。」

 ルドガーが割って入り重の火剣を受ける。槍の側面を使って受け流すように受けた為重とルドガーの体が入れ替わるようになる。


「くっ、戦いに紳士的もクソもないだろ!。形態変化『火突薙』。」

 重の火剣が形態を変え大型の大剣に姿を変える。振り向きざまに体ごと捻るように重が横に薙ぐ。


「な⁉︎L4『皇鐡の大楯』!。…ぐっ⁉︎…それも初めて見たぞ!。重、君はどれほど隠していたんだ!。」

 体を覆うほどの大楯を錬成し重の火突薙を受け止めようとしたルドガー。しかしその圧力に耐えられず後ずさる。


「まだだ!。解放『乱火』更に…『双砲火』。」

 入り乱れる乱火による迫撃に加え直線的に進む双砲火の熱線による追撃。


「…遠距離もこの威力か!。ぐっぅぅぅぅ…うわっ⁉︎」

 ルドガーも体勢を立て直しながら大楯で防ごうとするが遂には盾を吹き飛ばされ熱線と火球に晒される。


「…(これでも動かない。…何故だ?ルドガーはほぼ間違いなくユーロの切り札のはず。それが危険に晒されているのに…何故助けない。)それでも…今なら…L 2『蛍火』×100!。」

 ルドガーが炎を包まれるのを見た重は問題の2人に攻撃を仕掛ける。確実に何かはある。今ならルドガーの助けはない。好機と思えた。


「…ルドガーのバカ!。もう…やるしかないじゃない。」


「うわー、…まだ足りてないよ。」

 ハンナとヨンナに迫る蛍火。それを前にして双子は初めて構えを取る。


(…何をするつもりだ?。)


「…属性は情報通り炎だけみたいね。そしてあれは蛍火ね。問題は数だけど…なんとかして。」


「うん、分かった。『相殺』。」

 ヨンナが重の魔法についての解析を口にするとハンナが手を上にあげ唱える。水の渦が現れ重の蛍火とぶつかる。


「…ふぅー、思ってたより個々の魔力が多い。上方修正。」


「さっきの魔法も全部火属性よ。あの拳は腕に魔力を纏っていることから直接触れない限りそこまでの害はないはず。あの火剣も一緒ね。ただあの形状変化後は周りにもかなりの熱量を放っているから注意すること。腕を砲身とした火線だけど軌道は直線のみになるはず。…取り敢えずこんなものね。」

 ヨンナが続けて重の分析を話す。


(…ずっと見られていた。…あまり長くいられると良くはないな。)

 重はこの場で一番に倒すべきはヨンナだと判断する。ヨンナの分析がどれほどの深さまで及ぶかは分からないが時間が経てば経つほど不利になるのは明白である。


「…『火剣』…『篝火』×100。』

 重は光で目潰しをし前に出る。狙うのは勿論ヨンナ。しかし…


「…見えないー。けど…もう『相殺』。」

 ハンナが腕に水で出来た盾を持ち立ち塞がる。更に足元から次々に水の膜を発生させ重の勢いを止める。


「…っく、でも近接で押し切らせてもらう!。」

 一度は受け止められた重。しかしそこから突きと斬りを織り交ぜた連撃に繋ぐ。次々と出される手数にハンナも徐々に押され始める。


「う、うわ!。…そ、相殺…出来ないよー!。」

 そして円を描くようにハンナの両手を弾き上げた重。その前には無防備な体があった。


「…とった。」

 重は右手をハンナの体に向け撃ち込む。


『……フッ……』


「…え⁉︎…うわっと…」

 重の目前からハンナの姿が消える。勢いのままに前につっかけてしまう。そこで重は見た。ハンナは消えたのでなく下がったのだと。地面に縦穴が空いておりその底にハンナがいた。


「…俺を忘れるなよ、重。」

 重が振り返るとルドガーとヨンナがいた。ハンナもせり上がる地面に押され元いた場所に帰ってくる。


「…両方の手で魔法は使えるけど決める時は右手の使用率が高め。また、魔力のコントロールもかなり繊細。それは蛍火に込められた魔力量の違いからも実証済み。足運びに若干の違和感を感じるから…火拳の足技もある可能性がある。」


「…良く見てるね。」


「…そろそろハンナとヨンナのヤバさがわかったかい?。敵の全てを見て、観て、視る、『全要素解明』のヨンナ。敵の魔法を解して相して殺っする、『全零回忌』のハンナ。ユーロの新世代、ルーナが見出した新しい魔導師の形だ。」


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