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広がる戦域

「この炎だけじゃないよ?。あなたをぶちのめす為に私は色々用意している。L 5『鳳凰球』。」

 蒼炎を纏った状態の銀城。更に鳳凰を象る炎を繰り出す。


「…無駄だ。俺にあんたの遠距離は効かない!。」


「分かってるよ煩いな。ふっ……」

 銀城は鳳凰球をその身に降ろす。


「…ぐぅぅ……。い、痛い…。だけど…心のトゲトゲよりも…痛くない!。」

 銀城の背中に鳳凰の羽が生える。羽ばたきによって火の粉を撒き散らしながら銀城は空を舞う。


「…おいおい…これは…『硬物質典雅』。…炸裂しろ!。」

 李白が最高密度の魔力の塊を錬成する。更にそれを炸裂させ銀城を牽制する。とそこへ…


「最高の炎を感じたぜ。俺にその炎を喰わせ…うおっ‼︎なんだL4『炎凪大太刀』。」

 神速火滅のリリアンが現れる。銀城の放つ蒼炎を見て本能のままに向かって来ていたのだ。不意を突かれた形の李白の攻撃を炎を滅する大太刀を振るいいなすようにやり過ごす。


「…誰?。」


「お前は…要注意人物に入っている、リリアンクラウド!。」


「おうおう、旨そうな炎、それに無属性の宗李白。こいつらを喰えば俺はもっと上に上がれる。…いく…な⁉︎お前は誰だ!。」

 銀城と李白の方を見て好戦的な笑みを浮かべるリリアンに斬りかかる影が現れる。そのままリリアンと鍔迫り合いをしながらその場から離脱する。


「…あんたにいられると先輩がやりにくいんだよ!。悪いけど…俺があんたの相手だ!。」

 リリアンの相手をかって出たのは剣だった。その手に握る壊刀を出力を持ってリリアンを押し込んで銀城から引き離す。その時剣は内心では驚愕していた。


(…こいつ、壊刀を普通に受け止めやがった。完全に不意はついた筈だ。…っち、こいつも…化け物か。)


「…違うだろ。…俺はその化け物に…成るんだろ!。解放!。」

 剣が壊刀を解放し爆散させる。その勢いも借りて銀城と李白から一息に距離をとる。


「…あーあ、お前…俺から獲物をとるのかよ。良いのか?飢えた獣は…手に負えねーぞ!。」

 目の前の獲物を逃したリリアンが剣に視線を向ける。険呑な雰囲気を放ち周りに殺気を飛ばしまくる。


「…っつ、望むところだ!。L4『風斬りの大剣』。」



『…ガキンッ‼︎‼︎』


「剣は予想通り…リリアンを連れてった。なら俺は…」

 重は戦況を見極めようとしていた。


(考えろ、能力で劣る俺は考え続けるんだ。今この場は銀城さんが目立っている。それを良く思わないのが来るはず。それを排撃する。)


「…来た!。あれは…ユーロの!。」

 重の視界にユーロのルドガーが現れる。その側にはもう2人のユーロの選手も控えている。鏡写しのように瓜二つな少女だった。


「…いくか。…『火拳』双腕。」

 重が両手に炎を灯しルドガーの前に降り立つ。


「…君はニホンの八神重。…是非君とやってみたかった!。」

 ルドガーが重を見て笑みを零す。


「…君のことは調べた。恐らく各国の代表の中で最も才能が劣る男。…何故頑張れるのか、この戦いでそれを知りたい。」


「才能がないことを…諦める要因にするのは嫌なだけだ!。だからここで4属性使いの君を倒す!。」


「…残念だけどそれはお断りだ。ルーナと約束したからね。ハンナ、ヨンナ下がってて。…L4『砂絡』L4『炎縛』。…重の機動力は警戒に値する。それを奪わせてもらう。」

 ルドガーの足元から砂の鎖と炎の網が現れ、重を襲う。徐々に間隔を狭めていくそれはついに重の姿をとらえる。


「…『火剣』!」

 重の両腕の炎が剣の形に姿を変えルドガーの魔法を切り裂く。


「俺の魔法が火拳と多重魔法だけだと思うなよ!。」


「…隠していた?。その意図は…まさか。…あぁ、そうか重、君が王だな。」


「…え⁉︎…いや、それは言えない。けど…そう思うなら…俺を倒せば分かるぞ!。」


「予定変更だ、ハンナ、ヨンナ!。全力でとりにいく。」


「ふん!。」


「あいあい」

 ヨンナ、ハンナと呼ばれた少女がルドガーのとなりに立つ。こうして近くで見ても瓜二つな2人。その違いは瞳の色だけだった。


(…大蔵先輩達と一緒か?。)


「…L 2『蛍火』×100。」

 重は様子見の為、誘導性の蛍火を3人に放つ。


『ドドドドドド…』


「うわー、ルドガー助けてー。」


「ちょっとルドガー、私もしっかり守りなさいよ!。」


「2人ともダメージはなかっただろ?。それでいいでしょ。」

 煙が晴れると地面にうずくまり頭を抑えるヨンナとルドガーの後ろに隠れるハンナがいた。


「…え…これは…(この2人は…なんなんだ?。)」


「…何よ、そんなに見ないで。叫ぶわよ。」


「あ、私達の事は気にしないでください。」

 ユーロから送り込まれた双子はあまりにもこの場に不釣り合いな双子だった。

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