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着いた決着新たな刺客

次回更新はお休みします。

次の更新は5月6日になります。

「この交際親善会の戦いを見てユーロの魔導師を侮る者はいないでしょう。貴女の、いや貴女達の努力は実った。」


「…だからと言って今回の勝ちを譲れと言われてもそれは断らせてもらう。貴方の言葉で目が覚めた、からこそ純粋な気持ちで言おう。勝ちたい、私の魔法を上回る貴方を倒したい。」

 どこか晴れやかな表情のルーナ。しかしその目には決意が宿っているのが見て取れる。その決意も今までの悲壮な、責任感からの覚悟ではなく個人としての決意だった。


「…この後に及んで言葉は無粋でしたね。…魔導師が誇るべきはこれだけだ。」

 ルーナの言葉を聞いた若草が地面に手をつき魔法を使う。それによって地面から大樹くんが生えてくる。


「あぁ、その通りだ。私達はこれで良い。」

 ルーナの背後にも四体の龍。更に四肢にも四属性の光が灯る。戦闘態勢の整った2人はそこからはなにも語らずその身で会話をする。お互いの魔法を打ち消し、穿ちそして受ける。魔力を消耗し痛みも伴う筈なのに2人はどこか笑っているような顔だった。







「…はぁ、はぁ、…またいつか…貴方に挑みます。その時は…負けな…」

 ルーナが言葉の途中で倒れる。魔力切れによる気絶だった。


『ユーロ代表ルーナ・トラクト脱落です。』


「…っ、いつでも歓迎しますよ。はぁはぁ…ぐっ…」

 戦いの最中決して弱ったところを見せなかった若草。しかしルーナの脱落が確認されると呼吸を乱し顔を顰める。


「…ふぅ、(残っているのは後何人だ?。…霧島君のところに1人、創士さんのところに1人。抜けたのが5人。残っているのは…2人。)」


「なら…ぐっ!。…あぁ、初めてお目にかかります。ニホン代表の若草大樹と言います。」

 考えに耽っていた若草を衝撃が襲う。お腹の部分に穴が空いていた。その視線の先には弓を構えた男がいた。


「……………。」

 若草の言葉に何も答えない男。素早くもう一度矢を構える。


「…(待っていたのか。毛ほども気配を漏らさずに。…僕を狩れるその時をただひたすらに。)くっ…恐ろしい忍耐力だ。」

 若草は体に仕込んだ遅延魔法で壁を作り背を預ける。冷や汗が浮かんだその顔には余裕など一切なかった。


『……ヒュン!。』

 若草の信じられない事が起きる。後ろから放たれ通り過ぎた矢が軌道を変え反転、若草に向かって飛んできたのだ。


「…魔法で操っているのか…!。…当然か。ダメだな、…頭がまわってない。」

 ギリギリのところで躱した若草。しかし矢は躱した先に方向を変化させ若草の肩を射抜く。


『ドオーーーーン‼︎』

 若草の背後の壁も崩れる。そこには先ほどと変わらず弓を構える男がいる。


「…ここまでか。…いや、ダメだな諦めることの無意味さを、足掻くことの意味を彼らに見せてもらった。そんな僕がこれではいけないな。」


「僕だけしか相手を出来ないのが申し訳ないですが…少なくとも魔力の半分は置いていってもらいます。」


「…………。」

 構えをとる若草。しかし既に大樹君を再び錬成するだけの魔力が残っていない。あるのは体に蓄える遅延魔法と僅かな魔力。それでも出来ること、最善を尽くそうとする男の姿がそこにはあった。


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