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無慈悲の殲滅

「…『魔弾・六方晶金剛』双龍!。くたばりやがれ!、キングドランカー‼︎。」


「…「鎌鼬」。俺はお前と戦えて良かったと思ったいる!。しかし勝負は別だ、キリシマヒハルさっさと倒れろ!。」

 霧島とキングの戦いも決着が近づいていた。お互いに自分の出せる力を振り絞り相手を倒そうとする。そこには唯、目の前の強者を上回りたいという純粋な感情しかなく2人は謎の清々しさを味わっていた。俗に言うゾーンである。普通では出来ないような回避、そして反撃。恐らく自分が到達する中で最高峰までにコンディションが高まっているのを感じていた。雅峰が抜けてからこの境地に至ったことから雅峰の役不足がうかがえるが。


「…あぁ!邪魔な風だぜ。『魔弾・源水の奏』『魔弾・猛炎の響』双龍!。」

 キングの鎌鼬にその身を裂かれながら霧島が銃を構える。


「…まだそんな技を隠していたのか!。お前はどこまでも!。」

 霧島が放った弾は火属性と水属性が交互に放たれるという今まで見せていなかった技術だった。キングは風の渦を纏った体で弾の威力を分散させる。しかしキングにはある懸念があった。霧島の左手に持つ銃。そこにはあるものがあると確信していた。先程雅峰を葬った充填された弾丸。その威力は現状一撃で自分を倒せる威力が込められていると理解していた。


「…ふぅ、『風帝の凱旋』。キリシマ!俺はこれからの魔法に全てを賭ける。お前のその左の一撃をまともに喰らえば終わりだからな!。楽しい時間だったが決着の時だ!。」

 キングのを中心に風が螺旋を描くように巻き起こる。


「バレてたか。まぁ分かるよな。そうだ、俺の左には溜めてある。その一撃は確実にお前を屠るだろう。」


「…いくぞ。『凱風』!。」

 キングが立ち消え次の瞬間霧島の前に姿を現わす。


「…なんだ?、…消えろ!。」

 霧島が弾丸を放つがキングに当たった途端キングが霞になり消える。そして一回り大きなキングが現れた。


「…手品か?。今更そんなので……ぐっ、お前…」

 次々に現れるキングを倒し続ける霧島。すると突然胸を押さえ苦しみだす。


「…風の帝が従えるのは空気。お前が俺を倒すたびに周りの空気が死滅する。真空になるんだよ。人は息が出来なければ何も出来ない。」

 風の帝のであるキング。その分身が倒される時に周りの空気ごと消え去る事によって徐々に霧島の周りの空気の濃度を下げていた。一見無敵な魔法にも思えるがキングの表情も苦悶に満ちている。分身とはいえ実質的に自身の体を削られているのと同じ。痛みも伴うし魔力も消費する。


「…はぁ、…はぁ、…はぁ、」


「倒さなければお前を害するぞ。」


「…くそ、反則じみた魔法だな。なら、お前を全て削りきってやるよ。『魔弾・乱紅蓮』双龍!。」

 霧島が胸を押さえながらも銃を乱射する。この空間全てがキングの領域なら少なからずダメージになる。


「…はぁ、はぁ、…はぁ、………くそっ………」

 しかし遂に霧島が膝から崩れ地面に伏す。


「俺はお前をある意味信用している。お前が確実に敗北するその時まで魔法を緩めることは無い。」

 霧島が倒れてもなおキングは本当の姿を見せない。目の前に倒れている男には一分の隙も見せてはならないと感じていたからだ。


「……………左を見せてやる。『無慈悲な殲滅』。」

 霧島が左を解放する。放たれた弾丸は真っ直ぐ空に上がる。


「…破れかぶれに放ったところで意味は…あぁぁぁぁぁ‼︎…」


「俺の左に蓄えるのは広範囲殲滅の一撃。正にお前みたいな奴を打破するための弾丸だ。」

 空に撃ち上がった弾丸は上空で炸裂。数多の炸裂を繰り返した弾丸は雨のように降り注いだ。


「…ぐそ、…左が特性が違う…とは、思っていなかった。はぁ、はぁ、…俺の負けだ。時期に魔力切れで脱落になるだろう。」

 霧島の攻撃でついに帝を維持することも出来なくなったキングが素の姿で現れる。


「だから…」


「俺がとどめを刺してやる。」

 キングの言葉を聞き終わらぬうちに霧島が銃の引き金を引く。


「…感謝する。」

 キングが述べたのは感謝の言葉。戦闘狂の2人にとって負けたのなら、とどめを刺される行為は誇りだった。


『アメストリア代表キング・ドランカー脱落です。』


「…かはっ、…しばらく動けねーぞこれ。」

 キングの脱落を見届けた霧島は大きく息を吐きその場に座り込むのだった。

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