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決別の一撃

「俺を止めないと取り返しがつかねーことになるぜ?。」

 両手に銃を構えながら霧島が言う。その手に握られる銃から光が漏れる。


「不遜な態度ではあるが…その身に刻み悔い改めよ。」

 雅峰が扇を扇ぐ。吹き荒れる突風。更には糸が飛び散り場を整える。


「余の高速機動をしかと見よ。まぁ、目に止まればの話ではあるがな。」

 その言葉と同時に雅峰の姿が消える。先程散らした糸の伸縮によって高速移動を可能としていたのだ。


『…ドゴンッ!!』

 いつの間にか霧島の背後に回っていた雅峰。折りたたんだ扇を振りかぶり霧島に振り下ろす。


「…あっぶね。…っち、喰らえ!。」

 ギリギリの所で躱した霧島。振り返りざまに銃弾を放つがその時には雅峰の姿はなかった。


「…速えーな。前に雷の一年とやった時は気配で何とかなったが…」


「…俺の領域では何人たりとも逃さない。」

 キングが自分の体を薄め雅峰の移動範囲全てを認識下に置く。そして雅峰の到着点に拳を配置し迎撃する。


「…ぐふっ⁉︎、…貴様誰の顔を殴ったか理解せよ。」

 キングの拳に吸い込まれるように顔を張られる雅峰。すぐに立て直すが怒りを露わにしている。


「成る程な。糸を辿ってるんだから当然その移動は直線になるって訳だ。」

 その様子を見ていた霧島が分析をする。雅峰の移動はあくまで配置された糸を基点に移動しているので細かな機動は出来ない。


「キリシマ、ぼぉーとしている暇はないぞ。」

 キングが風の槍を霧島に向けて放ってくる。


「…数が多いんだよ!。『魔弾・風華』双龍!。」

 霧島が銃弾を連射し風の槍を撃ち落としていくが数が多くいくつか体を穿つ。


「…絶好機を逃す余でないぞ!。最早回避は叶わぬ。それにそれだけ撃った後に蓄積はさせぬ。」

 更にそこに雅峰が現れ霧島の目の前で扇を振りかぶる。キングの放った風の槍を受けた衝撃で体制を崩している霧島に回避の余地はなかった。


「それは俺の台詞だ!。何故俺がリボルバー式の拳銃を愛用していると思う?。」

 凶悪な笑みを浮かべた霧島。そして右手に握る銃のシリンダーを回転させる。


「…?何を…」


「気づかなかったか?。この拳銃は6発装填。でもなオレは5発毎に装填を繰り返していたことを。」

 一瞬が永遠とも言える時間をかけて流れていく時間の中でのやりとり。


「…まさか!、貴様っ!。」

 その中である恐ろしい仮説を立てた雅峰。振り下ろそうとする扇をどうにか開こうと試みるが、


「…終わりだ。充填『決別の一撃』!。」

 霧島の銃から放たれる絶対破壊の一撃。今までの弾丸とは一線を画すその威力は辺りの空気すら焦がす程のエネルギーを放っていた。戦いが始まった時から魔力を貯め続けたその一撃は霧島にとって必殺と言っても良い技だった。


『ドゥーーーー……ン』


「…はぁはぁ、くそっ、痛てーな。衝撃で腕が飛んでいきそうだ。」

 だらりと右腕を下げた霧島がぼやく。決別の一撃はその威力の高さ故に砲台となる腕への負担が尋常ではない。しかしそれだけの対価を支払った成果は出ていた。


「…余が、余が負けるだと…。」

 撃ち抜かれた雅峰が苦悶の表情を浮かべる。


「…余はこの様な所で…」

 そして魔力の切れた雅峰は気を失う。


『光華代表劉・雅峰、脱落です。』

 アナウンスが響く。


「さぁ、キング!。俺とお前の一騎討ちだ。あの時の決着をつけようぜ!。」


「ふん…望むところだ、キリシマ。」

 残るNo.1は2人。

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