決闘訓練 VS夢坂
「ん?お前誰だ?。」
重が尋ねる。重は七星の顔を知らないのである。
「ははは、俺を知らないのか。やっぱり面白いな。俺の名前は夢坂当夜。名前ぐらい聞いたことあるだろ?。」
「!。お前が第六輝か。なんでこんなところに?。」
「さっきも言っただろ。君に興味が出たんだよ。それでお相手願おうと思ってね。もちろん戦るだろ?」
そう夢坂が問いかける。答えはもちろん決まっている。
「やるに決まってるだろ。俺はあんたと戦るために勝ち残ったと言っても過言じゃねーよ。」
「嬉しいね。嬉しいついでに少し教えておこうか?僕のこと。僕は君の戦い方を見ていたけど君は僕の戦い方を知らないだろ?。」
「いや、いい。戦いながら考える。」
そう言い重は夢坂の提案を断る。実は前日若草からあることを聞いていたのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「もし夢坂君とやることになったら出し惜しみはしないほうが良い。」
「あと防御を固めること。そうすれば多分一撃で終わることはないと思う。…これ以上は言えないな。あとは自分で確かめてね。」
と言うやりとりがあったのだ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「…そうか…。なら頑張ってね。」
「それでは試合を始める。」
そう審判が言ったその時、
「『バキッ!』…。…な⁉︎。」
重は宙を舞っていた。
(な、何が起こった?。)
審判の開始の合図とともにガードを固めたつもりだった。だがすでに攻撃されている。
(…今はとにかく立て直さないと。)
「L2『篝火』×100。L2『蛍火』×100。」
一気に光量をあげ相手の目を潰し誘導機能付きの、蛍火で追撃する。
「…くっ、どうなった?。」
着地し相手の方へ目を凝らす。そこには…
「一撃で終わると思ったけど良く残したね。」
そう言う無傷の夢坂がいた。
「 嘘だろ、無傷。あの数の誘導弾を。(…何かカラクリがあるはずだ。先ずはそれを解く。)。L2『蛍火』×200。」
さっきよりも多い蛍火を夢坂に放つ。
その様子を観察する重。
「……少しかすってしまったようだね。やれやれ凄い数だ。」
そこにはやはりあまりダメージがない夢坂がいた。
「…お前まさか雷属性か。」
「お!流石に気づいたね。そうさ、俺は雷属性だ。しかも自己変化型のね。」
変異型。しかも更に珍しい自己変化型。雷属性は発動する魔法に全て帯電性が含まれており相手を麻痺させることができる。
「自己変化することによって僕は雷になれるんだ。なれる時間は少ないけどね。」
試合開始と同時に重を殴ったのは雷に変化し恐ろしい速さで接近したものだった。
「さてさてこの状況で君はどうするかな?。」
そう重に問いかける夢坂だった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
少し戻って重が殴り飛ばされた場面。
「剣さん今の見えましたか?。」
澪が尋ねる。自分の目では分からなかった。だが剣士の剣なら何か見えたかもしれない。
「…あぁ多分だけど、恐ろしい速度で移動して重を殴ったんだ。そしてその後の魔法も全て躱している。」
(なんて奴だ。こんな奴がいるのか。速すぎる。)
剣も驚きを隠せない。これが七星の座を力で奪ったものの力。
「良く見えたね。凄いじゃないか。」
そこに若草が現れた。相変わらず授業は免除のようである。
「彼は雷属性なんだよ。そして自己変化型でもある。それも一時的とはいえ100%変化し、雷になれる。その速度は常識を超えるよ。」
若草が2人に解説する。
「…あんたはこの戦いがどうなると思う?。 」
剣が若草に尋ねる。
「そうだね。おそらく剣君が思っている通り彼は勝てない。…でも何かしてくれる信じてるよ。」
そう言い視線を舞台に戻すのだった。
次回更新は10月8日になります。
よろしくお願いします。