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対火属性特化

「L4『炎凪大太刀』…こいつは最高にクールだ。」

 地面から現れた長刀。その刀身は鈍い赤色で柄の部分から布がヒラヒラとなびいていた。


「…『火拳』双腕。L1『篝火』×10。」


「お前も懲りないな。いくら身を隠したところでその魔法じゃ俺をやれない。もっと強い魔法を使ってこいよ。」

 リリアンが腰に刀を添えて構える。自分から動く気配はない。


「…そんな…簡単に言ってくれるなよ。俺にはこれしか無いんだ。L2『火炎』×100、装填。」

 重の腕に纏う火力が跳ね上がる。


「…まさか、使えないのか?。Level2までしか?。そんなこと…」


「それの何が悪い。解放…爆発だ!。」

 リリアンの言葉に触発された重が至近距離で火拳を解放。膨大なエネルギーを含んだ火炎がリリアンを襲う。


「…がっかりだ。『滅火』。」

 リリアンが炎に向かって刀を振り抜く。


「…え?、嘘だろ?。」

 重が火拳を解放して放った火炎400発分の炎がその姿を消す。


「俺は期待してたんだぜ?。あの女の予行演習くらいにはなると思ったのによ。…もうやめだ。」

 刀を地面に突き刺しその刀にもたれかかる様にしながらリリアン言う。


「確かに俺たちの国では才能は関係ない。でもな、Level2なんて努力だけでなんとかなる訳ないだろ。なぁ、お前棄権しろよ。俺以外とだったらまぁまぁやれるんじゃないか?。俺はもうやる気がなくなったから。」

 長刀を消し重の元を立ち去ろうとするリリアン。その顔には当初の覇気が見られない。


「ま、待て!。なんだよそれ!。そんなのが通じるわけないだろ!。『火拳』。」

 重が突然やる気をなくしたリリアンに怒りを覚え殴りかかろうとする。


「もういいよ、それは。見飽きた。」

 重と入れ替わる様に舞うリリアン。


「ぐへぇ⁉︎…。…L2『蛍火×100。」

  重は素手のリリアンに投げ飛ばされていた。驚くが即座に反撃に転じる。しかし


「…しつこいな。俺に炎は通じない…『滅火』。」

 刀を呼び出したリリアンが振るう。またもや炎が掻き消されていた。


「俺はあの隻腕の嵐獅子を倒したいんだ。だから火属性の対策は誰よりも積んだ。対火属性特化、『神速火滅』のリリアン・クラウド、人は俺をそう呼ぶ。だからお前には勝ち目がない。俺にはお前とやる気がない。じゃあな。」

 ヒラヒラと手を振りながらリリアンが去る。


「勝手なことを、…いや、…受け入れろ。俺では…今は勝てない。その相手が俺を見逃すと言うんだ。俺の出来ることをやる。」

 そんなリリアンを咎めようとする重。だがその動きを止め、現実を見る。自分の個人的な感情で動いてはいけない。ニホンが勝つために行動するべきと自分を律する。しかしいくら心では受け入れても体は正直だ。重の握りしめた手から血が滲み出ていた。それ程の悔しさを心に留め重は行動を起こす。


「…夢坂が抜けた今俺がすべきことは…真利谷さんの所に行かないと!。もし…夢坂を倒した奴が真利谷さんの所に向かってたら…」

 重が考えた最悪のパターン。夢坂を倒した人物が真利谷の元へ向かい光華2人を真利谷が相手にしている状況。今後の為にも真利谷に抜けられるのはかなり手痛い。


「…俺が時間を稼ぐ、しかないな。」

 重が駆ける。ニホンのために。


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