決闘訓練 どっちが強い
その後それぞれ2戦目を突破した3人。やはりこの3人の実力は頭1つ抜け出ている。
「そろそろ少なくなってきたな。今残ってるのは30人くらいか。」
剣が周りを見ながら言う。
「え⁉︎つ、次の試合、私と…剣さんです。」
よく考えればなんの不思議もない。残り30人ほどで3人が当たるのは仕方のないことである。
「へー2人が戦うのか。どっちが勝つだろうな。」
「んー俺もこれは本気でいくしかないだろうな。」
剣が本気でいくことを宣言する。今までの戦いを見ていて澪の実力の高さを感じていたのだ。
「わ、私も私の全てを出し切ります。2人に負けないってことを見せるんです。」
澪も意気込みを口にする。
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「なんか見てる奴多くないか?。」
舞台に立った剣が周りを見回しながら言う。
「そ、そうですね。少し緊張します。」
実は現時点でこの2人は夢坂を除く一年の頂点であると周りに思われていたのである。なのでその直接対決を見ようと人が集まったのである。
「それでは始めます。お互いに最後だ。出し尽くすように。」
そう言い審判の先生は舞台を降りた。
「さて始めるか。…L4『風切りの大剣』始めから飛ばすぞ。」
剣は剣を生成し澪に斬りかかる。
「更にL3『大震脚』。」
剣が唱えると剣の歩みに合わせて地面が揺れる。
「うっ、あ、足元が…す、『水体化』。」
澪がなんとか体を変化させる。その瞬間剣の刃が斬り裂く。
「うっぅぅ…。はっはっ…。」
体を水に変化させたおかげで助かったが、普通の生徒ならこれで終わっていたかもしれない。
「自己変化型は一見無敵だが違う。属性のダメージはしっかりくらう。それが体に現れないだけでダメージは蓄積している。この闘技場のルールでダメージは魔力の消費に変換される。魔力切れまで削りきってやるよ。」
剣は戦闘において知り合いだからといって手を抜かない。
「私だって…L3『静水』、L『水柱』。」
「『水柱』開放。L4『水獄』。」
1戦目で相手を封殺したコンボを出す。
「おいおい、俺に一度見た技を出すなよ。L4『…。」
剣が魔法で吹き飛ばそうとするが、
「当然剣さんはこれではダメだとわかってます。ここからが進化した私です。L4『水鎖』。」
剣を捉えている水獄に水の鎖が巻きついていく。
「!。これは…なかなかの強度。」
中から剣で斬りつけるが突破できない。
「はぁはぁ。…これでどうです。」
「…俺にこれを使わせるか…。L4『華炎陣』、L4『風馬の竜巻』。…合わされ。」
剣が唱えると2つの魔法が合成される。
「う、嘘…。」
そこには『水獄』と『水鎖』のコンボから抜けた剣の姿があった。
「…正直ギリギリだった。自爆気味だったから俺もかなり食らったしね。」
剣は2つのLevel4の魔法を同時に発動することにより脱出に成功したがそれなりのダメージを負っていた。
「…私はまだやれます。」
そう言い澪は自分の周りの水分を集める。前に重と戦った時に使った水の空間で迎撃しようとする。
「俺もかなりしんどいから次の一撃で終わりにしよう。L4『黒曜の和刀』この刀は最速にして最高。」
剣は刀を錬成すると同時に駆け出す。
それを迎え撃つ澪。結果は…
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「負けました。まさか私の空間ごと切り裂いてくるなんて…。」
さっきの決着は澪の水の空間ごと剣の刃が切り裂き決着した。
「いや、俺もかなり危なかった。水獄を強化するなんてな。」
「2人とも楽しそうだったね。俺も早くやりたいよ。」
澪が魔力切れの気絶から復活してことから分かるように2人の戦いから結構時間が経っている。
「あれ?でももう人が…。」
澪が確認するとまだ試合をしていないのは重1人だけである。
「うそ⁉︎俺相手いないの?。」
折角勝ち残ったのに…と重が思っていると、
「最後の試合、出場者は舞台に上がってください。」
とアナウンスがある。誰とやるのか?と思いながら舞台に上がる重。
「あ、あの人は!なんでここに⁉︎。」
澪が舞台を見て声をあげる。そこにいたのは
「君に興味が出た。俺と戦ろう。」
七星第六輝夢坂当夜だった。
次回更新は10月6日になります。
よろしくお願いします。