戦いのルール
「…それでは最後になりますが国際親善会の日程を発表させていただきます。」
各国の選手達が表面上はにこやかに談笑を交わす中アナウンスが響く。その途端は会場は緊張に包まれる。これまで競技の内容は全て伏せられていたためここが初披露となる。
「戦いは4段階によって行われます。1段階目は出場選手の選定。5人選んでいただきます。」
「2段階目はその中で3人を選びます。相手の行動に合わせて選んでください。」
「各国の3人…合計12人で戦っていただき残った1人が勝利となります。この段階では棄権を選択できます。選択した場合脱落とはなりません。」
「勝者チームは選択の権利を得ます。
自分達のチーム以外から3人脱落にする。または脱落になった自チームのメンバーを1人復帰させる。」
「この一連の流れを繰り返し合計10人脱落したチームは敗退となります。そして残った国の優勝となります。」
「また、各国は1人王を決めていただきます。その選手が残った際は選択肢の内容を倍にすることができます。」
「これにて説明は終了いたします。質問がありましたら挙手をして発言をお願いします。」
行われた説明。各国ルールを飲み込もうと頭を回転させているので手は上がらない。そこに…
「はい、…えーと王は周知されるのですか?。あと…復帰する権利を貯めることはできますか?。」
若草が手を上げ質問をする。ルールの飲み込みの早さが彼の異質さを際立たせた。
「…王に関しては宣告させることはありませんが…1度残れば自ずと明らかになるでしょう。復帰する権利に関してですが貯めることはできません。使わなければ消失されます。」
「…復活させることが出来るのは戦いで気絶して脱落した人と勝者の選択によって脱落した人両方ですか?。」
「はい、そうです。今回の脱落の定義は気絶した者、選択によって脱落させられた者となります。よって選択で復帰を選んだ場合どちらでも復活できます。」
「そうですか。なら…僕はOKです。もう…わかりました。」
ニホンチームは若草がルールを全て理解したと告げたことで安堵の息を漏らす。全員が若草の頭のキレを認めていたためであった。
「他に…質問はないでしょうか?。」
アナウンスが流れ1分ほど沈黙の時間が過ぎる。手は上がらない。
「…それではこれをもちまして国際親善会開会の儀を終了とさせていただきます。」
そのアナウンスによって会場から人が出ていく。
「若草大樹、1度全員で集まろう。戦術について練らねばなるまい。」
「そうですね、僕も賛成です。このルール下手をすれば2ターンで負けが決まってしまいます。5人の組み合わせが大事です。」
創士からミーティングの提案を受けた若草はそれに賛同する。
「それでは俺の寮へ来い。待っている。」
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「はぁはぁ…あの野郎。中々厄介な魔法を使いやがって。」
1人荒い息を吐くのは霧島。先程までアメストリアの生徒と戦っていたのだがその生徒が突然現れた女に連れ去れてしまい今に至る。
(…あのままやってたら…どうなっていたか。勝率は…5から6割ってところか。)
「まだまだ強い奴はいるもんだ。そんに…あの女。あいつは…俺より強いかもしれん。…少し戦力が足らないか。」
「取り敢えず打てる手は打っておくか。まずはあそこに行くとしよう。あの人の力は必要になる。絶対にいるから。」




