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集い始めたツワモノ達

50000pv突破しました。ありがとうございます。これからも頑張りますのでよろしくお願いします。

「ここがニホンか。確か鎖国とかいう訳がわからないことをしていた国だよね。こーんな島国なのに。」


「それは大分前のことだな。。今では俺たちと同様に魔法先進国に名を連ねている。当然油断すべきではないだろう。」


「…それも気に入らないんだよ。我が帝国に並んでいるつもりになってるのが。」


「だから本気でぶっ潰してやるよ。勿論ニホンだけじゃない。中華もユーロにも負けない。帝国は最強なんだ。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「フランク…なんか少なくない?。みんなはどうしたの?。」


「ルドガー…俺にもそう見える。確かに飛行機には乗っていたはずなんだが。」


「…もしかしてだけどさ…他のみんなから俺たちが離れたんじゃない?。」


「…と言うことは迷子は俺たちと言うわけか。」


「「どうしよう…」」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「李白はもう着いてるらしいね。」


「あいつはせっかちだし、行動的だからな。問題を起こしてないといいけど。」


「そうだね、あいつ本気で頭が悪いからね。聞いた?この前小籠包80個食べて店から出禁になったって。」


「…バカだな。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 今回の国際親善会参加国は重達が属する島国ニホン、圧倒的な武力を武器に世界を席巻するアメストリア帝国、伝統の積み重ねに生きるユーロ、分母を増やすことで才能の出現率をあげ大国に名乗りを上げた光華の4カ国によって行われる。世界の覇権を争う4カ国にとって次代を担う才能の競い合いで負けるわけにはいかない。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「おぉ、みんなよく似合っているよ!。」

 全星寮に若草の声が響く。その眼前には星光学園の代表選出であることを示す紺色のスーツに身を包んだ重、剣、澪がいた。


「…んーなんか俺子供が無理して来てるっぽくない?。大丈夫?。」


「お前はチビだからな。その点俺は完全に着こなしてるといえる。」


「あの…剣さん、ネクタイの結び方が…」


「お前だって駄目じゃないか!。」

 先日若草が作ったスーツではなかった違和感を覚える重。採寸はしたはずなのだが…この誤差は若草の後輩への愛の差ということにしておく。


「は⁉︎これは…わざとだよわざと着崩してんの!。貫禄を見せつけるためにな。」


「…剣君、残念だけど式典には正装、つまりきちっとしないと入れないんだよ。」

 言い訳をする剣に無慈悲にも若草がドレスコードについて告げる。


「…うす。えーと…すまん矢沢ネクタイの結び方を…」


「はい、わかりました。私も1度解くので一緒にやりましょう。」

 ネクタイの結び直しを余儀なくされた剣。重、若草、澪の顔を順番に見渡し澪に教えを請うことに決める。


「澪ちゃん優しすぎるよ、そんな奴ほっといたらいいのに。」


「ふふふ…」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ここが会場ですか。…大きいですね。」

 着替えを終えた重達は式典の会場となる建物の前にやってきていた。澪が会場を見上げながら感嘆の声を漏らす。


「そうだね、まぁ参加者は学生だけでも80人くらいにはなるし…色々偉い人も来るみたいだし…」

 重も感想を口にしていたが言葉を止める。目の前の道路にうずくまる人を見つけたためであった。黒髪で右側だけ編み込んだ独特の髪型。切れ長の目は鋭さを感じられる。しかしその顔色は真っ白になっていた。


「…うぷっ…食べ過ぎた。…この国はご飯が美味し…『オェェェェェ…』。…はぁはぁ」

 その男は空を見上げ呼吸を整えていたが突如マーライオンのように口から液体を吐き出す。酸っぱい匂いのする液体を吐き散らした男は荒い呼吸を繰り返す。それはまるで次の噴水の用意をしているかのようだった。


「なんだあれ、やばっ…臭っ!。」

 その様子を見ていた重達。剣が非難の声をあげる。


「だ、大丈夫ですか!。」

 そんな場面でも澪は自分が汚れることも気にせず男に近寄り背中をさする。


「はぁはぁ、…ふぅ、はぁ、………」

 その甲斐あってか男の呼吸は落ち着きをみせ次弾の発射は留められたようだった。


「落ち着いたみたいですね。良かったです。」


「あ、ありがとございます。…」

 先程まで噴水のように吐いていた男が初めて澪の顔を見て言葉を失う。


「?。どうかなさいましたか?。」


「…綺麗だ。…あの、名前を聞いてもいいですか?。」


「え、あの…矢沢澪といいます。」


「名前まで…綺麗だ。…矢沢さん、僕とお付き合いをしてください。」

 突然の交際を求める男。


「え⁉︎。…えーっ!。」

 滅多に聞くことの出来ない澪の驚いた声が響いた。

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