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決まった代表

「あー?。それは若草の…なんでお前それを知ってんだよ。」

 霧島が花凛に尋ねる。その目は先ほどまでの子羊を狩るような目とは違い戦いの気配を感じられた。


「知らなかったんですか?。私の名前は若草花凛、七星第五輝若草大樹の可愛い可愛い妹なんですよ!。」

 花凛とカリンちゃんが同時に駆け出す。霧島を囲むように円を書いて走る。


「なるほど、若草の妹か。ふーん…でもよ、その人形は若草の3属性があって出来る奴だろ?。お前が若草と同じく魔法の扱いに長けていても…属性が足りてないなぁ!。つまりペテンだ。」

 初めて見るはずの魔法。それに対して驚きは見せつつも冷静に分析を加えていく霧島。


「それにさっきも見せただろ。俺は二丁拳銃だ。『魔弾・緋炎』双龍。」

 両手を横に広げ駆ける花凛とカリンちゃんに向け発砲する霧島。銃口から放たれた炎は鳥の形をとり襲いかかる。


「うわっ、…えーとL3『水陣壁』。カリンちゃんは…えーとこうだ。」

 自分の攻撃に対してとカリンちゃんへの攻撃の両方への対処に追われる花凛。なんとか左手で指パッチンを鳴らしカリンちゃんに行動をとらせる。やはり若草程自由に操ることは出来ないようである。


「甘い、…甘ーよ。若草のあの魔法とは比べるまでもねー。あいつの魔法はまさに自由自在。あいつが2人いる…いや、それ以上の厄介さだった。お前は読みも魔法もあいつには…」


「うるさいな。私の今やるべきことは…あと1分生き残ること。あなたに勝つことじゃない。」

 霧島の言葉を遮る花凛。いつの間にか花凛とカリンちゃんは一周の円を描き終えておりその手を触れ合う。


「…沈んじゃえぇぇぇ!。」


「な、⁉︎くそ、なんだ!。この感触…砂じゃねーな。…粘土質…いや、沼か。」

 霧島の足が徐々に地面に埋没していく。足掻いて足を抜こうとするがもう片方の足が深く沈み結局さらに深みにはまる。


「…確かに私はお兄に二人零和有限確定完全情報ゲームで勝てたことはない。でも…私にも出来ることはある。有るものを使い切ってみせる。それが若草花凛の…生きる道。」


「…かっかっかっ。…面白い…兄…だ俺……いて…………」

 みるみるうちに沈んでいく霧島。遂には頭の先まで沈んでしまう。


「…やった。時間は…」

 残りの時間を確かめようとする花凛。彼女は失念していた。今自分の前にいる男がただの男ではないことを。


「…火・風混合『魔弾・嵐炎』フルバースト。」

 沈みきったはずの霧島。すべてを払いのけ浮き上がる。


「な…⁉︎。嘘!。」


「終わりだ。『魔弾・六方晶金剛』フルバースト。」

 銃口を花凛に向け引き金を引きまくる。草薙の防御を全て砕いた最硬の弾が花凛に迫る。


『ガガガガガガガガッ』

 しかしその弾丸は花凛へ届くことはなかった。あるものに当たって乱反射する弾丸。その全てが闘技場内の人に当たらないように配慮されていた。


「…なんのつもりっすか?。そいつは俺の獲物のはずですよ。横取りするならあんたでも…許さねーぞ。」

 睨みを効かせる霧島。その相手は創士だった。


「…ふぅ、よく見ろ。時間切れだ。この戦いは花凛…とそこの草薙茜の勝ちだな。」

 創士が指を指す方向には時計。既に条件の10分を経過していた。


「…バレてましたか。花凛が本当にヤバくなったら出ようとしてたんですけど。…さっきのは予想外でしたけど。」

 倒れていた草薙が立ち上がり花凛の横に並ぶ。


「ちっ…。(成る程…剣の側面に当てて弾きやがったな。こんな芸当は想定してなかったな。)…消化不良だ。創士さん相手をしてくれよ。」


「落ち着け。今日はお前の相手をする気は無い。それより…花凛と草薙茜、お前ら2人を親善会の代表として歓迎する。…よくやった。」


「やった!。やったね茜ちゃん!。」


「良かった。(重君に置いていかれないですむ)。」


(それにしても…お互いの長所をよく組み合わせていた。元々花凛は評価していたが…草薙茜の評価も改めなくてならんな。)

 喜ぶ2人を見つめる創士。霧島は花凛と草薙の計画通りに10分を使わされたことに腹を立て立ち去っていた。この後闘技場が1つ破壊間近まで霧島に壊されることになる。


「…粒が揃ったか。この面子ならいける。」


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