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5分を耐える

(そうだ。俺たちが今求める人材は強き者。相手に怯み立ち向かうことすらしない弱者に用はない。)


「さて…あと5分ある。どうする?。」


「会長〜見逃してくださいよー。」

 創士に向かって懇願する花凛。


「そんなこと出来るわけ…」

 当然身内といえどそんなことが許されるわけなく創士が素気無く断ろうとする。


『ガキキキキキッ‼︎』

 突如現れた土の蔓。創士が切り刻もうとするが斬った先から生えて創士に襲いかかる。


「これは…(1人の魔法ではないな。)合作か。器用なことをしたもんだ。」

 しかしそれも完全装備の創士の前には歯が立たず殲滅される。


「…L4『土竜窟』。」

 間髪入れず草薙が唱える。創士の足元が崩れ落ち大きな穴を開ける。


「そんなもの俺には効かんぞ。」

 当然空中に飛び上がる創士。


「L4『轟の鉄槌』…にL4『多重岩』『うりゃぁぁぁぁ!。」

 その背後から大きな槌を振りかぶった花凛が迫る。振り下ろされる一撃は創士といえどただでは済まない威力になるはずだった。


『キンッキンッ…』


「え?嘘…真利谷さんも?。それは厳しいよー。」

 振りかぶった槌を振り下ろそうとするが全く動かない。不思議に思い首をひねり後ろを確認すると槌は地面から延びた氷に捕らえられていた。


「もう少し周りを見るべきでしたね。『氷柱針』。」

 氷の針が花凛の体に突き刺さっていく。


「…うっ…!なら…茜ちゃんにこれあげる。」

 花凛は槌を持っていない方の手を伸ばし魔法を発動。草薙の前に土の城門を建てる。


「…任せて。あと4分なんとかしてみせる。L4『甲鉄の手甲』。L4『砂息吹』。」

 その影に隠れながらさらに砂嵐を起こし目をくらませようとする草薙。


「成る程今度は砂吹雪に隠れるか。攻め時と引き時を弁えている。しかし悪いが今日は奴も本気なんだ。」


「おいおい、もっと骨のある奴はいねーのか?。全員やっちまったぞ。」

 集まった殆どの生徒を喰い散らかしたこの学園最強の男が帰ってくる。


「霧島!。残りはあと1人だ。そいつは少しはマシだぞ。」


「そうかい…なら『魔弾・風豪』。」

 銃口から竜巻のようなものが発生し砂嵐を収束させる。


「え?砂嵐が!。…くっ、思っていたより早い。」


「ふん、俺がそこらへんの奴の常識で測れると思うなよ!。」


「ごくっ…。ならば…私が出来るのは…耐える!。L4『金剛の鎧』L3『粘土壁』L3『土門』。」

 全身に鎧。花凛の置き土産の城門、粘土質な壁、土の壁、耐久に全てを振り堪える体制をとる草薙。残り時間と現状を考えると最善といえる選択肢だっただろう。相手が普通ならば。


「ふん、時間稼ぎか。まぁ10分生き残るのが条件なら妥当なとこだな。…相手が俺じゃなきゃな。この弾は最硬だ。『魔弾・六方晶金剛』。」


「…ぐっ、嘘…?一発の弾で全てを貫いたっていうの?。…はぁ、はぁ…あと…3分!。」

 霧島が放った弾。一撃のもとに草薙のすべての防御を貫き体に届く。


「へぇ、頑張るじゃん。確かに少しはマシなのかもな。でもな拳銃なんだよ。拳銃が一発しか撃てない…わけないよな。セット…『魔弾・六方晶金剛』フルバーストッ‼︎。」

 貫くだけでなく全体にヒビが入る草薙の防御網。

「ぐっ…ぐはっ…うっ、駄目だ。…諦めたら…だ、めだ。まだ…まだ…まだだぁ!。」

 魔力を込め直し修復を急ぐが霧島の手には二丁目の銃が握られていた。


「いや、もう終わりなんだよ。二丁の拳銃が火を噴くぞ。『魔弾・六方晶金剛』双龍。」

 放たれる連撃の銃弾。草薙の防御を物ともせず草薙の体を穿ち続けついに全てが崩れ散る。


「…っ。………どうやら賭けは私の…私たちの勝ちだ!。」

 全てが崩れた草薙。あとは目の前にいる無慈悲な男によってトドメを刺されるだけとなっているのに、その目の炎は消えていなかった。


「…何?。…私達?。…こいつは…」

 草薙の放った言葉に引っかかりを覚え視線を辿る霧島。そこには彼が戦う価値があると認める男の必殺によく似た何かがいた。


「あれは…若草君の…」


「あぁ、まさか花凛の奴…」


「とくとみよ。これが…カリンちゃんだ!。」

 若草大樹のオリジナル魔法大樹君。それの花凛バージョンカリンちゃん。血は争えない。

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