見破った秘密
「え⁉︎…本当にそんな事が?。」
重からある考察を聞いた澪は驚きの声をあげる。重の話す内容はそれだけ驚愕の内容だったのだ。
「まだ絶対じゃないんだ。でも賭ける価値はあると思う。」
「わかりました。…『水帝』。…『海神の双腕・拳』。」
水帝になった澪。空気中の水分を魔力で凝縮し拳を形作る。
「ふむ、流石帝。便利だね。」
「でも、その程度ではなんともならないね。」
「「L3『土門』。」」
土門を発動し澪の拳を受け止める大蔵姉妹。土門に当たった拳は水飛沫を上げ土門を穿っていく。
「『火拳』。」
その水飛沫に紛れて重が火拳で六花に襲いかかる。
「また君かい?。さっきの繰り返しだね。「L4『重鎧』。」
先程のリピートのように重鎧を殴り続ける重。その視線は六花の顔に向けられていた。
「…俺は結構しつこい男なんですよ。…それにしても先輩…顔綺麗ですね。」
「君は何を言ってるの?。」
突然の重の言葉に眉をしかめる六花。
「澪ちゃん!。こっちはオッケーだ。」
それを気にすることなく澪に自分の仮説が立証されたと合図する重。
「…何をするつもりか知らないけどL3『水撃掌』。…どうするのかな?。」
水帝である澪の前で水属性の魔法を使い挑発する八鹿。あからさまに罠があると伝えていた。先程澪はそれ故に絶好の反撃のチャンスを逃していた。
「…っ、私は重さんの説を信じます。…その魔法頂きます、『水豪』。」
八鹿の行動にひるむ事なく魔法を吸収する澪。その魔力を使い八鹿に迫る。
「…ふぅん、…気づいたんだ。…八鹿。この子達は思ってたより頭が切れる。」
八鹿だと思っていた人物が呼びかける。その相手は当然六花と思われていた人物だった。
「…どうやらそうみたいだね、六花。」
「「どこで気付いた?。」」
「八…六花先輩の顔です。六花先輩の顔には石で切れた痕のようなものがある。それは俺がつけたもの。水属性と土属性を使う六花先輩につけたものです。」
「ですが今の俺の前にいる火属性と土属性を使う偽六花…八鹿先輩にはその痕がない。それを見つけた時にある可能性に辿り着きました。」
「貴女達は不揃いな双子なんかではなくそっくりな双子なんじゃないかって。」
「ふふっ、」
「ふふふ」
「「正解。よく気付いたね。そっか顔に痕がついてたか。」」
「…改めまして大蔵六花。属性は水と土。」
「…改めまして大蔵八鹿。属性は火と土。」
「「私達は一卵性の双子」」
六花だと思っていた八鹿の身長が縮む。
「…やっぱり土属性であげぞこをしてたんですね。腕も六花役の人は常に魔法で作っていた。」
「…髪の色はすぐに変えることができますしね。」
「やれやれ見破られたか。」
「もう私達は君達のことを知ることができた。」
「「認めてもいいと思っている。」」
「でも悲しいかな」
「私達は先輩なんだ。」
「「後輩には負けれない。」」
六花だと思っていた八鹿の赤色と八鹿だと思っていた六花の青色。それぞれの髪の色が抜け黒になる。
「一発限りの手品だと」
「タネがバレた奇術師だと」
「「思ってくれるなよ後輩。」」
解説)登場シーン
六花 本当は八鹿
八鹿 本当は六花
重が火拳のアームハンマーを撃った後
六花 本当に六花 ここで顔に傷がつく
八鹿 本当に八鹿
重が双砲火を撃った後
六花 本当は八鹿 重に顔を見つめられる 八鹿 本当は六花




