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選ばれる為に

 第一次候補

 下記に示す者をこの度の国際親善会の第一次候補とする。第二次候補は追って発表する。

 創士貫介


 真利谷氷雨


 東堂昴流


 大蔵六花


 大蔵八鹿


 霧島飛春


 若草大樹


 風街吟


 水野舞美


 夢坂当夜


 火祭剣


  以上

 上記に示されたものは本校の代表者として更に励むように。また本日の放課後特別室に集まるようにしてください。




 国際親善会の第一次候補者が発表された。そこには七星が名を連ねるが銀城の名はない。


「んー、ないなぁ。剣はあるのに。」

 張り出された紙を見ながら重がこぼす。


「はっ、俺の実力からすれば当然だな。それにしても…1年は俺と夢坂だけか。流石に厳しいな。」

 剣が重の肩に肘を置きながら言う。


「1年生が少ないのは理由があるんだよ。…まだ自分の力が分かっていないからね。アピールポイントってやつだね。」

 そんな2人の元へ若草がやってくる。隣には風街もいた。


「そやで、この親善会タイマンとは限らんからな。選考基準は一対一の強さだけじゃないんや。」


「確かに俺はタイマンやったらお前ら2人にも勝たれへんかもしれん。けどな俺の魔法は周りを活かす使い方も出来ねん。それが俺が選ばれた理由やろな。」

 風街が得意げに話す。風街は見えない風の膜を使い戦う。それはどちらかと言うと集団戦に向いていた。


「…と、まぁこう言う感じで2年生にもなると自分の強みがわかりだすからね。それが1年生が少ない理由だね。」


「成る程…でも俺サポートなんて出来ないしな。どうしよ。」


「…残りの枠全てがサポートってわけじゃねーだろ?。ならお前は自分の出来ることをやり続けろよ。矢沢はもう闘技場にいってるぞ。」

 不安そうな顔をする重に剣が言う。


「…そうだな。俺澪ちゃんのところに行ってくるよ。剣は…」


「俺はこの2人と一緒に行くわ。なんか集まんねーといけねーみたいだし。」


「分かった、そんじゃ。大樹さん、風街さん、失礼します!。」

 そう言い重は澪のいる闘技場に駆けて行った。


「さて、ほなら俺らは行こか。なんや集められてるからな。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーー


「集まってもらったのは他でもない。残りの…第二次候補達を君達に選んでもらいたいからだ。」

 集められた生徒達の前で学園長が言う。


「君達を選んだのは私達大人です。しかし私達の知らない力を持つ生徒がいるやも知れません。なので…親善会で必要になるという人材を申告してもらいたい。もちろん、申告された生徒が絶対に選ばれる保証はありません。」

 全体を見渡しながら学園長が言う。


「うむ、そういうことなら…先ずは銀城葵を薦めさせてもらう。性格は抜きにしてあいつの魔法は使えるはずだ。」

 創士が銀城の名をあげる。そもそも七星なので選ばれていて当然の存在である。


「銀城さんですか…。彼女の実力は私も評価していますが…参加してくれるでしょうか?。」


「取り敢えず入れておけばいいでしょう。あの子の強さは3年全員が認めるところです。」

 学園長の疑問に対し東堂が答える。創士を含む3年は銀城が七星の座を奪い取った瞬間を目撃している。異論はでない。


「わかりました。それでは銀城さんも候補に加えることにします。」


「他にはいますか?。」


「僕の寮の2人を推薦します。八神重君と矢沢澪さんです。」

 若草が手をあげて告げる。


「八神重君は稀少な多重魔法を使用でき個人でも団体でも力を発揮できます。」


「矢沢澪さんは自己変化で水の帝。むしろ何故選ばれなかったのか疑問ですね。」


「成る程…他の皆さんはどう思いますか?。」


「八神重に関しては確かに力はある。だが欠点としては接近戦での自爆の可能性があること。まぁ俺は入れても構わないと思います。」


「矢沢さんが入っていないのは私も疑問でしたね。彼女は静かな性格に折れない心を備えています。私からも推します。」

 重には創士、澪には真利谷が賛同を唱える。2年に関しては風街、水野は2人のことを知っており霧島はそもそも来ていない。反対は出ないかと思われた。しかし…


「銀城に関しては知っているが」


「その2人は知らない」


「「それで認めるのは早計じゃないか?。」」

 反対の意見が出る。2人から放たれているはずの声が一つの意味を成す。大蔵六花、大蔵八鹿の2人だった。長身で髪が赤い六花。小柄で髪の青い八鹿。双子の姉妹だった。


「でもまぁ、創士と」


「真利谷が認めるなら」


「強いんだろうけど」


「自分達で見たものをしんじたいかな。」


「「私たち2人とやらせてよ。」」


「…構いませんか?。」

 学園長が提案者である若草に尋ねる。


「…え、えぇ。勿論。それで認めていただけるなら。」

 2人の話し方に少し呆気にとられていた若草。


「「なら、明日で。伝えといて。」」


「わかりました。」

 重と澪にとっての大一番が決定した。


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