決闘訓練 剣の場合
第6話が投稿できていませんでした。今まで全く気付きませんでした。読んでくださっている皆様も話が飛んでわからなかったと思います。申し訳ありません。
現在は『初めての実技 2』として投稿されております。
時は流れ1年生対象の決闘訓練の日がやってきた。この日は例外を除く1年生全員が出席し決闘をこなすのである。1人最高3回まで決闘を行うことができ、その資格は勝者にのみ与えられる。つまり負ければ1回だけしか決闘できないのである。
「ほー、つまり勝てばもっと強い奴と戦れるってことだな。」
説明を受けた重がつぶやく。目標は夢坂を引きづり出すこと。
「夢坂君やっぱり参加しないみたいですね。」
名簿に名前がない。どうやら例外とは彼のことのようだ。
「ふーん。お!俺がこの中だと1番に出番みたいだな。サクッとやってやるか。」
剣が気楽に言う。
「そういえば私、剣君の魔法って見たことないんですけど強いんですか?。」
澪が重に問いかける。いつも訓練の時は剣術の型をしているが魔法を使っていることは見たことがない。若草が武器錬成型だと推測していたのを聞いただけである。
「うーんそうだね。見た方が早いかな。」
重が言葉を濁す。剣に対して認めたくないことがあるのだ。
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「それでは決闘を始める。因みに体へのダメージは精神的負担に変換されるので怪我の心配はないが…気絶はするぞ。」
審判の先生はそう言い残し舞台から降りた。どうやら初めてもよいらしい。
「…いきます。L3『水鉄砲』」
剣の相手の女の子は水属性のようだ。体の前に出された両手から野球ボールほどの水の塊が次々出てくる。勿論魔力がこもっているのでただの水ではない。
「おいおい。落ち着けよ。」
剣は少しの動作だけでそれを躱す。
「…ッゥ。その身のこなし貴方は近接戦闘型でしょう。ならばL3『水切り糸』。これで近寄らせません。」
手から出てくるのが弾ではなく鋭い糸のように変化する。それをしならせ鞭のように使う。
「面白いな。『水切り糸』をそんな風に使うのか。うーん中々近づけないな。」
剣が楽しそうに言う。
「でもまぁ俺には関係ないな。L4『風斬りの大剣』…この剣は全てを斬る。」
剣が魔法で剣を錬成する。薄い緑色に輝く大剣でその大きさは剣の身長と同じくらいだ。
「そんな大きな剣で私の『水切り糸』を買い潜れると思っているの!。」
対戦相手が叫ぶ。そして『水切り糸』を振るい駆けてくる。そこに隙はなかった。だが…
「悪いな。ぶっ飛んでくれ。」
一閃。剣が剣を横に薙ぐと何もなかったかのように相手は吹き飛んでいった。相手の魔法ごと切り裂いたのだった。
「だから言っただろ。この剣は全てを斬るって。」
単純な話である。剣の剣が相手の魔法を削りきっただけのことである。
「予定通り。サクッといったな。」
余裕の勝利であった。
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「…凄い。とても強いんですね。」
先ほどの戦いを見て澪が感想を漏らす。
「…こんなもんじゃないよ剣は。」
今回使ったのは風属性。しかし
「あいつは『風』だけじゃなくて『火』と『土』も使えるんだよ。それも同じLevelで。」
「…!。」
2つの属性を使えるものはそう珍しくはない。しかし3属性、しかも全てをLevel4以上で使えるのは極めて稀である。
「あいつには才能があったんだよ。とびっきりのね。」
「そのとびっきりの才能がある俺に負けじと張り合ってる馬鹿はおまえだけだよ。」
剣が帰ってきたようだ。剣は剣で重のことを認めている。
「なんだがいい関係ですね。」
2人のことが少しわかった気がした澪だった。