邸の名は?
第五輝邸に引っ越すことになった重達。そもそもまだそんなに時間が経ってないので部屋に私物があまりない。
「よし、荷物はこんなもんだな。」
放課後になり重達は荷物を持ち集合していた。
「部屋の近くのみんなに言ったらびっくりされました。」
澪が報告する。なんの理由があって入学してから2週間と経たずに第五輝と一緒に暮らすことになるのか周りには分からなかったのだ。はっきり言って本人もよくは分かっていないが…。
「確かにあの人は何考えてるか分かんねーからな。」
剣は昨日感じた印象を述べる。不思議な人だった。
場所は変わり第五輝邸前。そこには若草が待ち構えていた。
「待っていたよ。君たちの歓迎の用意をするために学校を半休してしまったよ。」
若草がとんでもないことを言う。
「いや、なんでっすか⁉︎。」
ますますもってこの先輩のことがわからなくなった。
「ふふふ、おいで。部屋に案内するよ。」
そう言った若草に引き連れられ建物の中に入っていった。
「一階はリビング、ダイニング、キッチン、お風呂、あと空室が三部屋。二階が個人の部屋になるかな。どこでも使っていいよ。」
外見から見た通りかなり広い建物だった。個人の部屋も一般寮より広い。
「す、すごいね。七星になったらこんなのが貰えちゃうんだね。」
澪が感想を漏らす。改めて七星の特権具合を認識したのだった。
「さて、荷物を置いたらリビングにおいで。大事な話がある。」
若草がそう切り出す。今更何か条件を付けるつもりなのか?と重達は警戒したがそんなことはなかった。
「この建物の名前を決めよう。」
平和な話だった。
「名前って言っても第五輝邸じゃダメなんですか?。」
重が疑問をぶつける。
「僕はもっと親しみをもって呼べる名前がいいんだよ。ほらほら、何か考えてくれよ。僕はその間に晩御飯の用意をするから。」
どうやら1年生だけで考えなければならないようだ。めんどくさい。
「どうします?。」
澪が2人に問いかける。
「…適当に若草り…」
「ダメだよ。みんなもいるんだから僕の名前を付けるとかダメだからね。」
ダメらしい。
「んーそうだなー。全員が星持ちになる為の寮で、『全星寮』とかどうかな?。」
重が考えを示す。
「「「それだ!!。」」」
こうして無事新しい名前が決まり、歓迎の宴が開かれた。
この作品も私が連載している作品です。1話1分程度で読めるのでトイレの時などに是非。
Dストアストーリー
ドラックストアの店員たちの日常を書いています。