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死を企画する者


 あの男はよく働いてくれる。日本に対して何やら恨みを持っているようだが、その気持ちが労働意欲となっているならばそれでいい。

 これからはビジネスの形が変わる。

 需要と供給、そのバランス。

 この釣り合いをとることは難しい。

 だがひとつの事故が新しい形を教えてくれた。


 福島原発事故


 その後の復興バブル


 原発事故が起きたことで1部地域で地価が上がり建築業界、不動産業界で利益が出た。

 つまり、デフレは簡単に解消できる。

 建築業界が仕事を増やすには、

 今ある建物が破壊されるといい。

 地震でも津波でも火事でもなんでもいい。

 テロでもいい。


 戦後日本では戦争は良くないと教育された。だが、戦争という状態の中でも戦争成金、戦後成金といった稼げる業界がある。

 不幸な目に合い、悲惨な思いをする者が多いなかで、利益を得る分野がある。


 復興バブルを上手く使えば、不動産関連で利益を出せる。

 上手く演出することができれば復興バブルをもう1度起こすことができる。


 需要が増え、それに応えることがビジネスだ。

 ならば需要を増やす努力もまたビジネスの内。


 建築業界を盛り上げるには、

 火事と爆発事故が増えればいい。

 医薬品が売れるようにするには、

 病人が増えればいい。


 川の上流にダムを作り水を塞き止める。

 川の下流で水不足に困った人達が増える。

 その人達に水を売る。

 これもウォータービジネスのひとつとして行われている。


 ただ需要に対応するだけではデフレになる。

 これからは需要を作り出し、『需要』そのものを『供給』する。

 これが新しいビジネスの形だ。


 今もアメリカは経済を盛り上げる為に努力している。

 今の状況では日本と北朝鮮の緊張が高まればいい。

 日本の憲法が改正されたならアメリカから日本に武器の輸出が増える。

 もしそのまま戦争ともなれば様々な物資を日本に輸出できる。

 戦争は終わりなき消費、無限の需要があるバブルだ。


 暮らしが便利になり、人々が裕福になり、誰もが消費者となることで経済は盛り上がった。

 しかし、この方法は今、頭打ちの状態だ。


 これからは人々を困窮させることで需要を高める必要がある。

 国際的な戦争が難しい時代には需要を産み出す戦争を企画することは難しい。


 効果的な無差別テロを企画、演出することが求められる。

 

 あの男の国でも、ひとつこのビジネスモデルの実験台になってもらおうか。

 




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