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エピローグ 5

「おい! 坂本! 何をやってる! フットサルクラブの報告書が上がってないぞ! 今度の松本本部長はフットサルに力を入れておられる。大会の運営は警察学校で行うのだから駐車場の手配もしなければならないだろうが! 馬鹿者が!」

「はい! すみません! 直ぐに作り直します!」

 第二教官室で怒鳴られながら俺はパソコンに向かった。くぅ~どうもデスクワークつうのはストレス溜まるぜ。

「坂本、これが終わったらお前当直教官だからな。第一教官室に行け。今日は徹夜だから覚悟しとけよ」

「う、うぅ……死んじゃう……」

 卒業式も終わり、クラスの皆と別れた後も、俺は警察学校に学校付けとして残り、轟教官の下、雑務に励んでいた。

 土日休めるのはありがたいが、轟教官の仕事量は多すぎる。死んでしまうわマジで。

「大丈夫だ。過労で死んだ者は警察学校ではおらん。それとも何だ? 本部長賞を貰った坂本巡査はこんな仕事は出来んか? ああん?」

「やります。やらせて貰います」

 轟教官に言われた通り、あの後、俺は指名手配犯を逮捕したとして、伊藤係長、九月と共に、表彰を受けた。最も、俺の場合は独断専行と重症を負ったという事で、プラスマイナスゼロというか、若干マイナス寄りの評価を頂いたが。

「はぁ……あの日の可愛かった轟教官は何処に行ったのだろう……」

「おい…………今何か言ったか?」

 轟教官から発せられた殺気に、歴戦の猛者である教官達の手が軒並み止まった。

「いや~俺は何も言ってないですけど……高橋教官。俺今何か言いましたかね?」

「おい! 俺に振るなよ坂本! え、え~と何も言って無かったよ。私は取り合えず聞こえなかった」

 俺の必死のウインクに答えてくれたのか、高橋教官は嫌々頷いた。

「ふん。後一ヶ月もすれば、お前も再び学生としてこの学校に戻る事になる。その時まで精々教官気分を味わっていくが良いさ。学生に戻ったら今以上にしごいてやる」

 ふふふと不気味な笑みを浮かべながら、まるで悪役の様に教官室を出て行った轟教官に、俺は身震いした。

「しかし、もう卒業から二ヶ月か……後一ヶ月で戻ってくるんだな~あいつら」

 俺は机に寄り掛かりながら一息吐く為に目を閉じる。すると辛かった六ヶ月間と、九月の顔が鮮明に浮かんでくる。

 署から戻ってきて三ヶ月、俺達は初任補習科生として、再びこの学校で学ぶ事になる。だから実質俺の学校生活は後四ヶ月残ってるわけだ。

「早く帰って来いよ~お前らも轟教官にしごかれろ」

 俺はクラスの連中の事を考えた。全員現場で色んな目に遭ってるだろうな、そんな中でも九月は空気を読まず大活躍してるだろう。

「さあ~て、お仕事頑張りますかな」

 俺は再び書類の仕事に戻る。

 俺の警察学校生活はまだまだ続きそうだった……。

                                     〈了〉


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