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第六章 実践実習 7
「はは……やばいなぁ……実習生を焚き付けたとばれたら始末書じゃ済まんぞ……」
腹の痛みを堪えながら俺は実習生の坂本の背中を見送った。そして、それと共に昔の記憶がその背に重なる。
「ああ、多分お前に似てるからだな。慎吾。新人の頃のお前もあんな感じだったよ」
思い出すのは一人の男だった。ただの大卒出の平凡な警察官だったが、驚くほど埼玉県警を変えた一人の人物。
「懸けてみたいんだ。お前が成し遂げられなかった続きを彼なら出来る気がするから」
俺は傷の痛みに耐えながら、誰に聞かせる事無くそう呟いた。




