第六章 実践実習 5
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「よし、じゃあ交番行こうか。連絡車に乗っていくから、坂本君は助手席な」
伊藤係長はそう言うと連絡車、所謂世間一般でいうミニパトに乗って俺達の前に止めた。 俺達はそれぞれそれに乗り込む。
「ここから小室交番まで大体、十五分くらいだよ。それにしても、坂本君、君は随分眠そうだったな」
副署長訓示の事を言っているのだろう。俺は顔を赤くしてすみませんと謝った。
「いや、良いんだよ。俺も正直糞眠かった。あの人は本当に優秀なんだが、堅苦しいというか、本当に話が詰まらん」
伊藤係長はそう言って笑った。その笑顔を見て、俺は良い人に当たったと嬉しくなる。
「君達、教官は誰なの?」
「はい。菊池教官と油井助教です」
「! へ~そうなんだ。有名人だね」
「そうなんですか?」
「ああ、油井部長は拳銃で確か毎年、全国一位の人だよ。出世欲は無い人だがね。で、菊池係長は刑事課で凄い有名な人だ。どうしてあれだけ捕まえてこれるのか、同じ署に居た時は不思議に思ったもんだよ」
「へ~凄いっすね。それは」
俺は素直に感心していた。しかし、油井助教はともかく、菊池教官は意外だった。普段の菊池教官はそんなに仕事が出来るタイプには見えない。
「まあ菊池係長に教えて貰えるのはラッキーだと思うよ。個人的に相談に行ってる奴も俺の時はいたしね。でも意外だな、刑事課にしか興味が無いと思っていたが、教官になっているとは」
伊藤係長は一人考える様に頷いた。逆に俺からしたら、刑事課でバリバリ働く菊池教官を想像できなかった。
「あ、着いたよ。坂本君。シャッター開けて来てくれ」
「ウス。了解です」
俺は降りてシャッターを開けた。伊藤係長は慣れた様子で車を入れる。
「さて、じゃあ、まあ案内しようか」
伊藤係長に連れられて交番に入る。
こうして、俺達の実践実習が本当の意味で始まった。




