第六章 実践実習 2
「お~い。坂本。実践実習の振り分け見たか?」
「う~ん? 何それ?」
生活の記録という、警察官の日記をつけていた俺は顔を上げて、永井君の事を見た。
「何それって……お前今日何の為に手帳を授与したんだよ。実践実習で行く署の振り分けだよ。川越とか、小川とか、一つの署に全員で行くわけにはいかないから、そういった感じで分けるんだよ」
「へ~そうなんだ。あ、じゃあ俺の行くところも決まったって事?」
「だからそう言ってるだろ。したっけ。さっき405室からプリントが流れてきたから早く読んでくれ」
永井君はそういって俺にプリントを渡してくれた。俺はプリントに目を通す。
「え~武南……オガちゃんと小島か。島ちゃんは春日部、永井君は上尾……お? 俺も上尾だ! やったぜ! 永井君と一緒だ!」
プリントを掴みながら、俺はガッツポーズをした。
「ああ、あと、九月も一緒だから。良かったな」
「え? マジで?」
永井君に言われてプリントを確認すると、確かに九月の名前が上尾に書いてあった。
「いや~したっけ、坂本が居て良かったわ。九月と二人きりとか、全く喋れる気がせん。未だに坂本以外に懐いてないからな。あいつ」
「そう……最近は結構笑うようになったと思うけど」
「…………そう。まあいいよ。俺は北海道に彼女いるから、坂本も精々頑張れよ」
「…………ああ?」
何故彼女の話になったのか分からなかったが、取りあえず俺は頷いた。永井君の言葉に間違いは無いだろうから。
「取りあえず、来週から朝早いぞ。五時半起きかな? 向こうに行って署の清掃をしなくちゃいけないからな」
「ええぇ! マジで? 面倒臭いね。ただでさえいつも朝早いのに……」
「ま、しょうがない。それに終われば早く帰れるから、上尾はかなり暇らしいから、学校に居るよりも楽かもよ?」
「え? 本当! ラッキー! さぼりまくろうぜ、永井君!」
「ああ、そうだな。そうすっか!」
サボる事に関しては、俺と永井君ほどポジティブな人間は居ないのだった。




