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第五章 トリプルブッキング 6
「駅まで送ろうか?」
動物園の入口で俺は尋ねる。
「いいえ、いいわ」
九月は小さく首を振った。
「そうか。じゃあ気をつけて帰れよ」
俺は小さく手をあげる。
すると九月は俺を見て、視線を逸らすという事を何度か繰り返した後、意を決したように口を開いた。
「き、今日は楽しかったわ。また、出かけに行きましょう」
つっかえ、つっかえ出た言葉。
何もそんなに力いれんでも……だがそんな一生懸命なところが良い。
「おう。また誘うわ」
「ええ」
こうして俺の九月とのデートは終わった。




